静電浮遊炉(ELF)を使用した高精度熱物性測定

更新 2023年8月18日

サービス概要

静電浮遊炉(Electrostatic Levitation Furnace: ELF)は、静電気力で試料を炉内で浮遊させながら、非接触で加熱、冷却することができる装置です。試料を保持する容器が不要なため、融点が3000℃にもなるような高融点材料でも、高純度を保ちながら容易に溶融することが可能です。これにより、高精度かつ広い温度領域で熱物性値(粘性、密度、表面張力)を取得することが可能です。

JAXAは地上用と「きぼう」に設置された宇宙用の静電浮遊炉を所有しており、使用する試料によって使い分けています。地上および宇宙の静電浮遊炉を用いた高精度熱物性測定の依頼を承っておりますが、一部測定できない試料等もありますので、まずはご相談ください。

装置スペック

(参考)宇宙用静電浮遊炉の構成
主要緒元
浮遊炉種類 試料種 試料サイズ
雰囲気
加熱
測定温度
地上用
静電浮遊炉
単体金属、合金 φ2mm
(数十mg)
真空
(到達真空度約10-5Pa)
炭酸ガスレーザ200W
Nd:YAGレーザ500W
300~3500℃
宇宙用 静電浮遊炉 酸化物が主な対象
金属、合金、半導体、絶縁体も対応可
φ1.5~2.1mmの球状試料 空気:最大2気圧(酸素濃度10%)
窒素:最大2気圧
アルゴン:最大2気圧
補足:500Paまで真空引きが可能
980nm半導体レーザ
最大光出力40W×4方向
300~3000℃
それぞれの装置で実施できること
浮遊炉種類 プロセス中の物性値の取得
表面張力 密度 粘性
地上用 静電浮遊炉
宇宙用 静電浮遊炉
  • ◎:可能/○:金属系は可能
装置紹介

料金表

宇宙用静電浮遊炉の場合

サービス 1種類の試料の密度、表面張力、粘性計測
ユーザー区分 国内ユーザー 海外ユーザー
ご利用料金 57.6万円 93万円
支払い条件 段階ごとに前払い 段階ごとに前払い
  •  密度、表面張力+粘性、再現性の計測ごとに前払いとなります。

地上用静電浮遊炉についてはお問い合わせください。

プロジェクトの流れ

地上用静電浮遊炉の場合

  • 試料を提供いただきます。
  • 地上用静電浮遊炉を用いて実験を行い、得られた物理データ(密度、表面張力、粘性)をユーザー様へ納入します。

宇宙用静電浮遊炉の場合

  • 試料をISS/「きぼう」へ打ち上げ、実験運用(浮遊・溶融・分析)を行います。
  • 宇宙用静電浮遊炉を用いて得られた物理データ(密度、表面張力、粘性)をユーザー様へ納入します。

募集

有償で利用をお考えの方の応募やご不明な点は遠慮なくお問合せ下さい。随時相談をお受けしております。

JAXA きぼう利用センター 静電浮遊炉募集担当 宛

お問い合わせ

詳細資料

タイトル サイズ ID
[Poster] Electrostatic Levitation Furnace (ELF) Nov.2019,English [ pdf: 6.3 MB] 72714
【ポスター】静電浮遊炉(ELF)を使用した高精度熱物性測定 2021年12月版 [ pdf: 18.1 MB] 67821
"Kibo" Utilization Services #2: Materials Science 2020,English [ pdf: 6.0 MB] 71620
「きぼう」利用サービス紹介2・高融点材料の物性測定と新材料創生 2020年版 [ pdf: 5.9 MB] 67879

関連トピックス

静電浮遊炉利用テーマ

研究成果

ミッション実施・進捗

テーマ公募

データ公開

インタビュー

ビデオ紹介


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