静電浮遊炉で測定した材料物性データを物質・材料研究機構(NIMS)のデータベースで公開開始

公開 2022年12月23日

静電浮遊炉(Electrostatic Levitation Furnace: ELF)はJAXAの筑波宇宙センター(地上用)と国際宇宙ステーションの「きぼう」日本実験棟(宇宙用)の2箇所に設置されている熱物性値の測定装置です。地上用では主に単体金属や合金、宇宙用では主に酸化物などの高融点の物質を浮遊して融かした状態(図1、表1)での密度、表面張力、粘性係数を測定することができます。
この度、物質・材料研究機構(NIMS)が運用する「高温熱物性データベース(Thermophysical Property Database: TPPDB)」と「材料データリポジトリ(Materials Data Repository: MDR)」にELFの測定データを無償で公開することとなりました。TPPDBでは密度(図2)、表面張力、粘性係数のデータをそれぞれ70件から120件程度収録しています。MDRではこれらの物性値を算出するのに用いた源泉データ(温度プロファイル、画像データ、液滴振動データなど)を収録しています。
今後も随時データを追加していく計画なので、ぜひご利用ください。
また、収録されていないデータは、今後ELFで新たに測定することも可能ですのでお問い合わせ下さい。

図1 地上用ELFで物体が浮遊溶融する様子

表1 静電浮遊炉で扱う試料種
静電浮遊炉の種類 試料種
地上用 単体金属、合金
宇宙用 酸化物が主な対象
金属、合金、半導体、絶縁体も対応可
図2 Gd2O3の密度温度依存性(TPPDBより一例として抜粋

※ 参考文献:物質・材料研究機構. "Gd2O3_20191112Density ".Thermophysical Property Database.


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