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2024.10.18
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Int-Ball2とAstrobeeが初共演!!! 第5回「きぼう」ロボットプログラミング競技会の軌道上決勝大会に向けた軌道上運用がISSで行われました!

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概要

JAXAが主催する、第5回「きぼう」ロボットプログラミング競技会(Kibo Robot Programming Challenge: Kibo-RPC)※1 の軌道上決勝大会に向けた軌道上運用を、2024年9月20日に国際宇宙ステーション(ISS)の「きぼう」日本実験棟で行いました。今回の軌道上運用では競技に使用したNASAのAstrobeeの他に、JAXAが開発したJEM船内可搬型ビデオカメラシステム実証2号機(Int-Ball2)がカメラロボットとして学生たちに「きぼう」船内の臨場感あふれる映像を届けました。また、AstrobeeとInt-Ball2が同一ミッションの中で一緒に飛行した初めての試みとなりました(図1)

競技の結果については2024年11月9日に開催される軌道上決勝大会で発表します。

図1. Astrobee、Int-Ball2と競技を担当したジャネット・エップス宇宙飛行士の3ショット(Image by JAXA/NASA)

AstrobeeとInt-Ball2が初共演

これまでのKibo-RPCではAstrobeeが主に活躍してきましたが、今回初めてカメラロボットとしてInt-Ball2が登場し、AstrobeeとInt-Ball2の共演が実現しました。Int-Ball2はリアルタイムで地上からモニタしている学生に軌道上での競技映像をお届けするというミッションを見事完遂し、次回以降のKibo-RPCでの活躍も期待されています。競技後には、今回の軌道上運用を担当したNASAのジャネット・エップス宇宙飛行士との記念撮影も行われました(図2、3)。
図2. 記念撮影の様子(AstrobeeとInt-Ball2の共演は史上初)(Image by JAXA/NASA)
図3. Int-Ball2が撮影したジャネット・エップス宇宙飛行士(Image by JAXA/NASA)

Int-Ball2について

Int-Ball2はISSで活動する宇宙飛行士を支援する船内ドローンで、2023年6月に打ち上げられ、同年10月には古川飛行士により初期チェックアウトが行われました。地上の管制員の操作によりISS内を飛び回り、写真や動画の撮影を宇宙飛行士の代わりに行います。Kibo-RPCを含む軌道上でのタスクは宇宙飛行士が自身で撮影に使用するカメラを準備し、カメラの設定や画角等の調整を行い撮影が行われています。しかし、Int-Ball2を使えば、撮影に関する一連の作業を地上から遠隔操作で行うことができ、宇宙飛行士の作業負担を大幅に軽減することができます。Int-Ball2はカメラロボットとして今後も軌道上の宇宙飛行士の作業を支援していく予定です。Int-Ball2の今後の活躍にご期待ください!

Int-Ball2関連トピックス

軌道上決勝大会に向けた軌道上運用について

軌道上運用では、表1に示したKibo-RPC参加国・地域代表の学生たちによって作成されたプログラムをISS船内ドローンのAstrobeeに実際にインストールし、画像認識の精度やミッション完了までの早さを競い合いました。予選大会では表示される画像の種類や難易度の条件が異なる10パターンのAstrobeeの飛行シミュレーションを実行し、10回分のスコアの平均を各チームの得点としましたが、軌道上運用では1度しかプログラムを実行することができません。また、シミュレーションと軌道上では環境条件が異なるため、実環境でも高い性能を発揮できるプログラムを作ることが重要であることから、学生たちは予選大会で作成したプログラムに磨きをかけて軌道上運用に臨みました。

決勝大会へ進出した学生への特典として、軌道上運用当日は、競技の様子が各代表チームに向けてリアルタイムでオンライン配信されましたが、学生たちが軌道上運用を見ることができるのは、自分たちの順番のみで、他のチームの映像は見ることができません。学生たちは自分たちが作成したプログラムをインストールしたAstrobeeが「きぼう」の中を飛行する様子を視聴しました。学生たちはAstrobeeが飛行する様子を手に汗握りながら真剣な眼差しで見守り、うまくいったときには大喜びしていました(図4)。全チームの軌道上での競技の様子は11月9日に実施される軌道上決勝大会で見ることができます。

図4. 軌道上運用視聴の様子(参加学生一部)

軌道上決勝大会について

2024年11月9日に軌道上決勝大会をJAXA筑波宇宙センターとオンラインのハイブリッドで開催します。優勝の栄冠はどのチームの手に?!
軌道上決勝大会の様子は、YouTubeで配信しますので、ぜひご覧ください!

表1 各国・地域代表チーム一覧

国・地域名(アルファベット順) 代表チーム
オーストラリア Dream Rover
バングラデシュ team_mukul
日本 Celestial-Ravens
マレーシア Techwin
ネパール TEAM PGS
フィリピン Inflection Point
シンガポール SST 1
台湾 CHIPI-CHIPI CHAPA-CHAPA DUBI-DUBI DABA-DABA
タイ Astronut
UAE UF0
UNOOSA(国連宇宙部) ORION 1
アメリカ合衆国 Salcedo
ベトナム Pho_VietNam
※1 Kibo-RPC
Kibo-RPCは、日米オープン・プラットフォーム・パートナーシップ・プログラム(JP-US OP3)を通じた日米協力に基づいて、アジア・太平洋地域における「きぼう」利用の促進とSDGsへの貢献(人材育成)を目的に、JAXAとNASAが協力して取り組んでいる活動です。本活動を通じて、同地域の学生に宇宙でのロボット操作やコンピュータプログラミングに関する教育機会を提供しています。

関連リンク

※特に断りのない限り、画像クレジットは©JAXA