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2024.08.21
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第5回「きぼう」ロボットプログラミング競技会の予選が各参加国・地域で行われました!

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概要

JAXAが主催する、第5回「きぼう」ロボットプログラミング競技会(Kibo Robot Programming Challenge: Kibo-RPC)※1 は2024年2月20日から参加者の募集をKibo-RPC参加国・地域で行い、過去最多の13か国・地域・組織より661チーム、2788人の応募がありました(表1)。今回のKibo-RPCでは、ISS船内ドローン「Astrobee」に画像認識をさせてその精度とスピードを競うルールで、表示される画像の種類や難易度の条件が異なる10パターンのシミュレーションを実行し、10回分のスコアの平均値で順位を決定しました。

表1. Kibo-RPC参加状況

国・地域名(アルファベット順) チーム数 参加人数
オーストラリア 7 43
バングラデシュ 160 677
日本 29 123
マレーシア 42 182
ネパール 1 5
フィリピン 29 154
シンガポール 11 53
台湾 68 322
タイ 200 724
UAE 17 94
アメリカ合衆国 42 160
UNOOSA(国連宇宙部) 54 254
ベトナム 1 7
合計 661 2788

各国・地域の予選について

各参加国・地域の予選期間である2024年6月末から7月上旬の間に、各担当機関が主催する予選会が開催されました。中には大きなイベントとして予選会を行った国や地域もあり、大変盛り上がった様子が報告されています。
予選会イベントを行った国・地域からのレポートや各予選の優勝チームについて、アルファベット順で紹介します!

(1)オーストラリア

オーストラリアでは担当機関が予選用のシミュレーション環境でプログラムを実行し、オンラインで予選会が開催されました。シミュレータ実行の結果、昨年度に引き続きDream Roverが見事優勝しました。

オーストラリア優勝チーム:Dream Rover

(Image by ASA, One Giant Leap Australia Foundation)

(2)バングラデシュ

バングラデシュでは担当機関が予選会用のシミュレーション環境でプログラムを実行しました。予選結果はSNSにて発表され、team_mukulが優勝しました。

バングラデシュ優勝チーム:team_mukul

(Image by STEMX365)

(3)日本

日本の国内予選大会は、JAXA 筑波宇宙センターとオンラインのハイブリッドで開催されました。予選会の前に、参加者のプログラムをJAXAがシミュレーション環境で実行し、イベントでは平均スコアの実施結果をもとに表彰を行いました。
予選大会終了後、オンライン参加者も含めたワークショップを開催しました。また、JAXA 筑波宇宙センターを訪問した参加者向けに、筑波宇宙センターの特別見学会も開催しました。

日本優勝チーム:Celestial-Ravens

(4)マレーシア

マレーシアでは担当機関が予選会用のシミュレーション環境でプログラムを実行しました。予選結果は各種SNSを通して発表されTechwinが優勝しました。

マレーシア優勝チーム:Techwin

(Image by MYSA)

(5)ネパール

今年は1チームが応募し、予選会用にプログラムを提出しました。そのため、予選会を行わず、担当機関が予選用のシミュレーション環境でプログラムを実行し、メールにて結果発表を行いました。その結果、TEAM PGSが正式に代表チームになりました。
(Image by NESARC)

(6)フィリピン

今回初めてフィリピンがKibo-RPCに参加しました。担当機関が予選会用のシミュレーション環境でプログラムを実行し、メールにて結果発表を行いました。その結果、Infection Pointが優勝しました。
(Image by PhilSA)

(7)シンガポール

シンガポールでは担当機関が予選会用のシミュレーション環境でプログラムを実行しました。その結果、昨年度に引き続きSST 1が見事優勝しました。

シンガポール優勝チーム:SST 1

(Image by SSTL)

(8)台湾

台湾ではオンサイトで予選イベントを開催し、独自の評価基準(プログラムのシミュレーション結果:70%、予選会当日のプレゼンテーション(チーム紹介、工夫した点等):20%、参加者が作成したYouTube動画(Kibo-RPCの振り返り、宇宙飛行士へのメッセージ等):10%)で審査を行い、順位を決定しました。結果はCHIPI-CHIPI CHAPA-CHAPA DUBI-DUBI DABA-DABAが優勝しました。

台湾優勝チーム:CHIPI-CHIPI CHAPA-CHAPA DUBI-DUBI DABA-DABA

(Image by TASA)
(Image by TASA)

(9)タイ

タイでは担当機関が予選会用のシミュレーション環境でプログラムを実行し、結果をホームページやSNS等で発表しました。優勝はAstronutに決まり、優勝チーム向けにオンラインでのイベントも開催されました。

タイ優勝チーム:Astronut

(Image by NSTDA)
(Image by NSTDA)

(10)UAE

UAEでは担当機関が予選会用のシミュレーション環境でプログラムを実行しました。その結果はオンラインで開催された予選イベントで発表され、UF0 が優勝しました。

UAE優勝チーム:UF0

(Image by MBRSC)
(Image by MBRSC)

(11)アメリカ合衆国

アメリカでは、担当機関が予選会用のシミュレーション環境でプログラムを実行しました。予選結果はオンラインで開催されたイベント内で発表され、昨年度に引き続きSalcedoが優勝しました。

US優勝チーム:Salcedo

(Image by NASA)

(12)UNOOSA(国連宇宙部)

前回大会より新たな枠組みとして加えられたUNOOSA International Slotでは予選イベントを行わず、担当機関が予選会用のシミュレーション環境でプログラムを実行し、シミュレーションの結果と各チームのプレゼン内容から、インドネシアの大学生チームORION 1が優勝しました。

UNOOSA優勝チーム:ORION 1

(Image by UNOOSA International Slot)

(13)ベトナム

今年は1チームが応募し、予選会用にプログラムを提出しました。そのため、予選会を行わず、担当機関が予選用のシミュレーション環境でプログラムを実行し、その結果、Pho_VietNamが正式に代表チームになりました。

ベトナム優勝チーム:Pho_VietNam

(Image by VAST-STI)

今回の各国・地域の予選会で優勝したチームは国際宇宙ステーション(ISS)での軌道上決勝大会への参加の切符を手にしました。軌道上決勝大会では、今回優勝した学生のプログラムをISS船内ドローンのAstrobeeに実際にインストールし、画像認識の精度やミッション完了までの早さを競い合います。現在、各国・地域の代表チームはプログラムの改修や、軌道上決勝大会に向けた最終チェックを行っているところです。9月頃に軌道上での競技、11月頃に軌道上での競技結果を発表する決勝大会イベントを開催しますので、どのチームが優勝するのか、ぜひ彼らの勇姿を楽しみにしていてください。
また今回残念ながら決勝大会に進めなかったチームには、この機会に学んだことや経験したことを今後に活かし、様々な方面でご活躍されることを期待しています。Kibo-RPCは来年も実施する予定なので、学生の方々はぜひチャレンジしてみてください!

表2. 各国・地域 代表チーム一覧

国・地域名(アルファベット順) 代表チーム
オーストラリア Dream Rover
バングラデシュ team_mukul
日本 Celestrial-Ravens
マレーシア Techwin
ネパール TEAM PGS
フィリピン Infection Point
シンガポール SST 1
台湾 CHIPI-CHIPI CHAPA-CHAPA DUBI-DUBI DABA-DABA
タイ Astronut
UAE UF0
アメリカ合衆国 Salcedo
UNOOSA(国連宇宙部) ORION 1
ベトナム Pho_VietNam

※1 Kibo-RPC
Kibo-RPCは、日米オープン・プラットフォーム・パートナーシップ・プログラム(JP-US OP3)を通じた日米協力に基づいて、アジア・太平洋地域における「きぼう」利用の促進とSDGsへの貢献(人材育成)を目的に、JAXAとNASAが協力して取り組んでいる活動です。本活動を通じて、同地域の学生に宇宙でのロボット操作やコンピュータプログラミングに関する教育機会を提供しています。

関連リンク

※特に断りのない限り、画像クレジットは©JAXA