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2025.07.25
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第6回「きぼう」ロボットプログラミング競技会 日本国内予選大会の開催報告

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2025年7月5日(土)に、第6回「きぼう」ロボットプログラミング競技会(Kibo Robot Programming Challenge:Kibo-RPC)の日本国内予選大会が開催されました。今回は、応募総数33チームのうち、プログラムを提出した24チーム(表1)がシミュレータ上でのスピードと画像認識の正確さを競いました。
その結果、名古屋大学と東京大学の合同チーム「FUNABASHI」が見事優勝し、日本代表として決勝大会に進出することが決定しました。決勝大会では、Kibo-RPC参加国・地域の代表と競い合います。

日本国内予選大会はJAXA筑波宇宙センターとオンラインのハイブリッド形式で開催し、現地では69名(学生52名、引率者17名)が参加。オンラインからは26名が参加しました。また、プログラムを提出していないチームもオブザーバーとして参加し、合計15チームが筑波宇宙センターを訪れました(図1)。

国内予選大会の様子は、後日JAXAチャンネル(YouTube)にてダイジェスト版を公開する予定です。
図1. JAXA筑波宇宙センターでの国内予選大会の様子

表1. 日本国内予選大会参加チームリスト(アルファベット順)

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チーム名 所属校 メンバー数
astrobot 江東区立第四大島小学校
墨田区立第二寺島小学校
芝浦工業大学柏中学校
3名
codect 成田市立公津の杜小学校
Malvern College Tokyo
K international school
3名
Cosmic Nova S高等学校
N高等学校
4名
FUNABASHI 名古屋大学
東京大学
3名
Hopeware 中部大学
名古屋大学大学院
3名
Hyperion 神戸大学 8名
ITF-Ravens 筑波大学 6名
KIC 神戸電子専門学校 7名
KyUec 九州工業大学
電気通信大学
3名
magpie 豊橋市立豊城中学校
豊橋市立南部中学校
豊川市立御油小学校
3名
MasTransfer 筑波大学 4名
ORCA 静岡大学 3名
Pokkens 中国分小学校
八坂小学校
ecole de chambors
加平小学校
5名
PoLLUX 香川大学
長岡工業高等専門学校
奈良女子大学
3名
SOBITS 創価大学 8名
Space つくば市立竹園東中学校 3名
SSSRC 大阪公立大学 6名
STELLA 早稲田小学校
啓明学院中学校
駒場小学校
緑野小学校
千葉県流山市立おおたかの森中学校
5名
StellarCoders 琉球大学 4名
Stellar Rendezvous 東京電機大学 8名
Supernova 大分工業高等専門学校 6名
TRUE 都城工業高等学校 3名
void main(Ariake) 有明工業高等専門学校 5名
404 Gravity Not Found 東京理科大学 7名

国内予選大会について

日本国内予選大会(当日のイベントプログラムは表2参照)は、司会の榎本麗美さんと解説員の東京大学・中須賀真一教授の進行で行われました。また、諏訪宇宙飛行士からKibo-RPC参加者に向けたビデオメッセージが届けられました。

続いて、Kibo-RPCの概要紹介とルール説明が行われ、参加者は競技の目的や進行方法について理解を深めました。予選に参加した各チームによる自己紹介のあと、事前に行われたシミュレーションの再生動画を、中須賀教授の解説とともに参加者全員で確認しました。また今年から小中学生の初心者向けに設置された「ビギナーズ・コース」に参加した5チームのシミュレーション動画も同様に中須賀教授の解説付きで紹介されました。
参加者たちは中須賀教授の解説に熱心に耳を傾けながら、時折歓声を上げたり、拍手をしたりと、会場は大いに盛り上がりました。

イベントの最後に表彰式を行い、各コースの上位入賞チームが表彰されました。
まず、ビギナーズ・コースの優勝チームである「astrobot」の表彰式(表2)が行われ、続いてレギュラー・コースの表彰式では、上位3チームが表彰されました(表3)。
3位は神戸大学のチーム「Hyperion」、2位は東京理科大学のチーム「404 Gravity Not Found」、そして1位は名古屋大学と東京大学の合同チーム「FUNABASHI」でした。なお、8位までの順位を掲載しています。

表2. ビギナーズ・コース優勝チーム

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順位 チーム名 所属校
1位 astrobot 江東区立第四大島小学校(東京都)
墨田区立第二寺島小学校(東京都)
芝浦工業大学柏中学校(千葉県)

表3. 日本国内予選大会の結果(レギュラー・コース順位表)

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順位 チーム名 学校名
(都道府県名)
スコア
(放送)
スコア
(平均)
1 FUNABASHI 名古屋大学(愛知県)
東京大学(東京都)
283.7 284.41
2 404 Gravity Not Found 東京理科大学(東京都) 282.5 278.23
3 Hyperion 神戸大学(兵庫県) 280.1 277.68
4 SSSRC 大阪公立大学(大阪府) 283.3 277.17
5 MasTransfer 筑波大学(茨城県) 281.0 265.81
6 PoLLUX 香川大学(香川県)
長岡工業高等専門学校(新潟県)
奈良女子大学(奈良県)
276.6 262.28
7 ITF-Ravens 筑波大学(茨城県) 261.5 253.40
8 KyUec 九州工業大学(福岡県) 275.2 223.24
*スコア(放送):10パターンのシミュレータの実行のうち放送されたパターンでの点数
 スコア(平均):10パターンのシミュレータの実行における平均点数(最終順位)
図2. 日本国内予選会ビギナーズ・コース1位「astorobot」
図3. 日本国内予選会 優勝「FUNABASHI」
図4. 日本国内予選会 2位「404 Gravity Not Found」
図5. 日本国内予選会 3位「Hyperion」

表4. Kibo-RPC国内予選会とワークショップのプログラム

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プログラム 出演者(敬称略)
1 オープニング 司会 榎本麗美(宇宙キャスター)
解説員 中須賀真一(東京大学)
2 ビデオメッセージ 諏訪理(JAXA宇宙飛行士)
3 「きぼう」ロボットプログラミング競技会とは
ルール説明とみどころポイント
榎本麗美
中須賀真一
4 レギュラー・コース:
各チームの自己紹介(アルファベット順:表1)とシミュレーション動画による競技
解説員 中須賀真一
5 ビギナーズ・コース:
シミュレーション動画による競技
解説員 中須賀真一
6 ビギナーズ・コース:
優勝チーム発表と表彰
・中須賀真一
・Astrobot
7 レギュラー・コース:
・結果発表と表彰
・ヒーローインタビューとシミュレーション解説
・中須賀真一
・FUNABASHI
8 講評 中須賀真一
9 閉会のあいさつ 白川正輝(JAXA宇宙環境利用推進センター)

ワークショップと特別講演

6 Kibo-RPCに参加したチームへの特典として、イベント終了後にワークショップを開催しました。このワークショップでは、事前アンケートで人気の高かったトピックをもとに3つのミニ講演が行われました。

  • JAXA職員による「GEMPAK:宇宙実験の遠隔化・自動化・自律化」+「 JAXAのお仕事紹介」
  • 株式会社セックのエンジニアによる「宇宙開発における産業界の役割と民間企業の宇宙開発について」
  • 東京大学・中須賀教授による「宇宙開発利用の新潮流と最近の重要技術」

質疑応答の時間も設けられ参加者にとって今後のプログラム開発に役立つ内容が多く、楽しく充実した講演会となりました。

図6. 集合写真(オンライン参加者)
図7. 集合写真(現地参加者)

筑波宇宙センター見学および交流会

国内予選大会の現地参加者向けに、筑波宇宙センターの見学ツアーとして、スペースドームや「きぼう」自動実験システム(GEMPAK)の地上モデル実機、「きぼう」運用管制室(Mission Control Room: MCR)の見学を行いました。
また、交流会では、イベントやワークショップとは異なるリラックスした雰囲気の中で、参加者は年齢や学校、学年の垣根を越えて交流を楽しみました。普段話す機会のない東京大学の中須賀教授やJAXA職員、宇宙キャスターの榎本さんとも直接話す機会となり、他チームの戦略や課題解決方法等についても活発な意見交換が行われました。
図8. 集合写真(筑波宇宙センターロケット広場)
図9. 交流会の様子
なお、国内予選で優勝したチーム「FUNABASHI」は、日本代表として、秋頃に開催予定の決勝大会に臨みます。
この決勝大会には、Kibo-ABC参加国・地域に加え、アメリカ合衆国や国連宇宙部(United Nations Office for Outer Space Affairs: UNOOSA)枠で参加する、アジア・太平洋地域以外のチームも参戦します。世界の強豪たちが集う舞台で、日本代表「FUNABASHI」が世界一を目指して挑戦します。皆さん、ぜひ応援をお願いいたします!

※特に断りのない限り、画像クレジットは©JAXA