1. ホーム
  2. 国際宇宙探査の取り組み

Future国際宇宙探査の取り組み

Future
Share

ニュース

国際宇宙探査の取り組みに関するニュースをお届けします

月へ、火星へ、そして・・・
有人宇宙探査の未来をひらく

ISSが活躍する「地球低軌道」を超え、地球からより遠い環境での有人宇宙活動が、近い将来、国際協力で実現しようとしています。JAXAには、「きぼう」日本実験棟や、「こうのとり」などの有人宇宙活動、また「はやぶさ」「はやぶさ2」や「かぐや」などの無人探査機での科学探査によって得た、技術・知見を生かして、国際有人宇宙活動での貢献が期待されています。
また、宇宙探査イノベーションハブが推進する、地上技術の宇宙探査への積極的利用と宇宙探査技術によって得られた知見を地上技術に活かす取り組みも、産業振興と宇宙開発を両立させる新たな仕組みとして注目されています。
月で、そして火星で、人類が持続的な活動を行えるよう、いま、様々なミッションが進められています。

月面:将来の月面・月周辺での活動風景(イメージ図)

アルテミス計画
いま再びの月へ

NASAが提案している、月面探査プログラム全体をまとめて、「アルテミス計画」と呼んでいます。2025年以降に月面に人類を送り、その後、ゲートウェイ(月周回有人拠点)計画などを通じて、月に物資を運び、月面拠点を建設、月での人類の持続的な活動をめざします。
2020年10月、この計画を推進するため、アメリカ、日本、カナダ、イタリア、ルクセンブルク、UAE、イギリス、オーストラリアの8か国が「すべての活動は平和目的のために行われる」ことなどをはじめとした、アルテミス合意にサインしました。これまでの経緯については、こちらの記事をご覧ください。

ゲートウェイ計画
月へそして火星への中継地点

ゲートウェイ(月周回有人拠点:Gateway)は、月面や火星に向けた中継基地として、アメリカの提案に始まり、現在ISS参加国で検討されています。完成の目標は、2028年。現在、JAXAで開発中のISSへの輸送機HTV-Xは、最終的には、ゲートウェイへの輸送にも使用できるよう検討をしています。

GatewayとHTV-X(別アングル)

有人与圧ローバ
まるで月面を走るキャンピングカー?

有人与圧ローバ ©TOYOTA

有人与圧ローバは、宇宙飛行士がシャツスリーブで一定期間居住可能な機能と空間を備え、宇宙服による乗降が可能で、飛行士の操作、遠隔操作及び自律運転により月面上の広い範囲を持続的に移動可能なモビリティです。移動範囲を拡大する機能は、月面活動の活性化に必要不可欠です。
また、JAXAは、持続的な月面活動の実現に向けた検討を促進するため、「有人与圧ローバが拓く”月面社会”勉強会~有人与圧ローバ チームジャパン~」を、幹事企業と共に開催しています。有人与圧ローバを議論の出発点として、様々な業種間で横断的に意見交換を行うことで、将来の月面社会について、より実行力のあるビジョンを描くことを目的としています。
※当勉強会は会員制となります。詳しくはリンク先をご覧ください。

宇宙飛行士の頼れる相棒
ロボット技術が有人宇宙活動を支える

JAXAが開発したきぼう船内ドローン「JEM自律移動型船内カメラ(Int-Ball)」など、現在、ISSでも何台かのロボットが稼働しています。みずから姿勢をコントロールしながらISSの中を移動して、静止画と動画の撮影を行うことができ、撮影した映像は、リアルタイムで地上の管制員や研究者に届きます。
このように、ロボット技術を使えば、宇宙飛行士の作業を軽減したり、宇宙飛行士では危険な場所での作業を代わりに行ったりすることができます。ロボット技術の進歩が今後の有人宇宙探査のカギになるのです。現在は、Int-Ballにつづく第2世代、「Int-Ball2」の開発も行われています。
JAXAでは、地上でのロボット技術を生かし、有人宇宙活動を効率的かつ安全に行えるようにするとともに、その技術がさらに、地上の技術にフィードバックされ、私たち人類の生活が豊かになることを目指しています

JEM自律移動型船内カメラ(Int-Ball)

日本人月へ立つ
新たな宇宙飛行士の誕生へ

有人月面科学探査(イメージ図) ©NASA

2021年12月から2022年3月、JAXAは新たな宇宙飛行士となる候補者の募集を行いました。地球低軌道のみならず、ゲートウェイや月面でも活躍できる人材を求めています。日本人が月に立つ日も間近かもしれません。

※特に断りのない限り、画像クレジットは©JAXA