公開 2022年3月28日

インクリメント67期間
2022年3月30日 ~ 2022年9月29日
インクリメント67キーメッセージ
きぼうの安定的な運用・利用を通じたISSプレゼンスの発揮
~既存プラットフォーム利用により安定的な成果を創出し、パートナー一丸となって国際協力ミッションに取り組む~
インクリメントマネージャ紹介
インクリメント(Inc.)は国際宇宙ステーション(ISS)の運用期間の単位です。担当するインクリメント期間の利用計画を立て、すべてのミッションを成功に導くためのコーディネータがインクリメントマネージャ(IM)です。

インクリメント67マネージャ
こんにちは。インクリメント67を担当します工藤です。
これまでISSの開発・運用を通じて先人が築き積み重ねてきた知見や経験を生かして、日本の今後のさらなる発展のために、各国のパートナーと協力し、各ミッションを着実に実施していきたいと思っています。
具体的には、超小型衛星放出、船外ポート利用、新薬設計支援、健康長寿研究支援、⾰新的材料研究⽀援の各既存プラットフォームを利用したミッションを確実に行うことにより成果創出を安定的に積み重ねていくこと、国際協力ミッションをパートナー一丸となって取り組み、確実に成功へ導けるように努力したいと思っています。また、インクリメント後半には若田宇宙飛行士が長期滞在を開始します。さらに、来年には古川宇宙飛行士も長期滞在予定と日本人の活躍が続くため、その事前準備や広報活動にも力を入れて取り組んでいきたいと思っています。
2024年まであと2年、まだずいぶん先の遠い未来と思っていた時代がもう目の前に近づいています。ISSの2030年までの運用延長も議論されている最中ではありますが、ISSを使用できる期間に可能な限りやれることをやり尽くし、将来の有人宇宙探査活動に向けての準備や成果を積み重ねることで、次の人たちにバトンを渡せるように繋いでいきたいと思っています。国内外の関係者の皆さんと力を合わせて頑張っていきますので、応援のほど、よろしくお願い致します。
利用ミッション(予定)
超小型衛星放出プラットフォーム
船外ポート利用プラットフォーム
- 中型曝露実験アダプタ1(i-SEEP1)利用
- 中型曝露実験アダプタ2(i-SEEP2)利用
- 簡易材料曝露実験ブラケット【ExBAS】#1-1搭載サンプル
- Artificial Diamond Substrate Exposure Experiment in Space
- Exposure experiment of wooden specimen to outer space on the ISS
- Astrobiology Japan 4(Tanpopo-4)
- Space BD Space Delivery Project 1
- 全固体電池軌道上実証装置【Space AS-LiB】
- The intelligent Space System Interface Flight Qualification Experiment【iSSIFQE】
- 簡易材料曝露実験ブラケット【ExBAS】#1-1搭載サンプル
- 宇宙実証用ハイパースペクトルセンサ【HISUI】 *外部サイト
- 宇宙の秘密を握る暗黒物質や宇宙線加速の謎が明らかに 高エネルギー電子、ガンマ線観測装置【CALET】
- 宇宙空間をX線で探る 全天にわたるX線天体の長期・短期変動の研究【MAXI】
新薬設計支援プラットフォーム
- 高品質タンパク質結晶生成実験
- 高品質タンパク質結晶生成実験(ロシア打上げ)【JAXA PCG#19】
健康長寿研究支援プラットフォーム
- 第8回小動物飼育ミッション【MHU-8】
無容器処理技術を利⽤した材料研究への貢献(革新的材料研究⽀援プラットフォーム)
- 静電浮遊炉【ELF】利用
- 静電浮遊法を用いた鉄鋼精錬プロセスの基礎研究~高温融体の熱物性と界面現象~【Interfacial Energy】
- 新奇機能性非平衡酸化物創製に向けた高温酸化物融体のフラジリティーの起源の解明【Fragility】
- 低重合度のケイ酸塩融体における粘性、密度の温度依存性測定【Silicate Melt】
- 高速炉シビアアクシデント解析のための制御棒材の共晶溶融物質の熱物性【B4C-SS eutectic】
- スペースデブリ・レーザーナッジのための推進力計測実験【Laser Debris removal】
- 熱エネルギー貯蔵材料開発に向けた非平衡溶融合金の熱物性計測【Thermal storage】
- 過冷却液体合金の分相と多重合金球形成過程の解明【Multi shell sphere】
- Super glass(NASA実験テーマ)
新プラットフォーム形成(将来有人活動の安全基盤確立に向けた宇宙火災研究(仮))
長期滞在・探査ミッション技術獲得
- 次世代水再生実証システム【JEM Water Recovery System: JWRS】
- CBEFを用いた低重力環境下における液体挙動に関するデータ取得【Liquid Behavior in Partial G Environment: LBPGE】
- きぼう日本実験棟 船内実験室微生物環境の評価【JEM Microbe】
- 宇宙船内水環境微生物のオンボードモニタリング法の開発【Micro Monitor】
宇宙医学
科学研究促進(生命医科学)
科学研究促進(物質・物理科学)
- ※実施予定の利用ミッションは、「きぼう利用戦略」の具体的取り組みの分類に基づいたマッピング(図1)を基に優先順位を定めています。