中型曝露実験アダプタ(i-SEEP)は、50cm×70cm×35cm、200kgまでの大きさで、複数の実験装置を搭載することができます。船外実験や宇宙用機器の実証機会を提供します。
2019年3月、JAXAはi-SEEPを利用した「きぼう」船外における軌道上利用サービスの提供事業者としてSpace BD(株)を選定しました。一般ユーザー(国内・海外)を対象にした、民間事業者(SpaceBD(株))によるサービスは、こちらをご参照ください。
主要諸元
項目 | 概要 | |
電力 | 28 Vdc(定格) 2 ch,各チャンネル最大 200 W | |
通信 | 中速系 | Ethernet: Ethernet ⅡまたはIEEE802.3 2 ch 無線LAN: IEEE802.11n アクセスポイント1台 |
低速系 | データバス/規格:MIL-STD-1553B 2系統 USB:USB2.0 2ch |
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ビデオ | NTSC 1 ch | |
地上との通信 | 「きぼう」船外装置を全て合わせて60Mbps | |
排熱 | 400 W(公称最大) (実験装置取り付け面の2枚のコールドプレートへの合計) コールドプレート温度 16~40 ℃ |
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振動環境 | 打上時 9.47 grms 回収時 8.29 grms (梱包せずに直接輸送船に搭載する場合の環境.別途,典型的な梱包を行う場合の規定あり) |
i-SEEP搭載の実験装置に対する詳細な技術要求等については、こちらをご参照ください。
i-SEEPの拡張機能
小型ペイロード搭載支援装置(Small Payload Support Equipment: SPySE)
i-SEEPに取りつけられ、1~3Unit*規模の小型の装置に電力や通信環境を提供するデータインターフェースを備え、小型実験装置の運用をサポートします。SPySEを利用することによって、i-SEEPに搭載することが難しかったより小型サイズの実験装置を搭載することができるようになりました。SPySEには最大5個のペイロードを搭載することができます。SPySEに搭載するペイロードは、きぼう船内でi-SEEPに搭載され、エアロックを通って宇宙空間に設置されます。宇宙空間での実験終了後には、きぼう船内に取り込まれ、地上にサンプルを持ち帰ることができます。
*1Unit = 10cm×10㎝×10㎝
簡易材料曝露実験ブラケット(Exposed Experiment Bracket Attached on i-SEEP: ExBAS)
ExBASは、SPySEに搭載する装置の一つで、さまざまな実験試料を宇宙環境に曝すことができます。この装置は、i-SEEP利用事業者のSpaceBD社が参加団体を募り、2021年から実験を開始しました。一度に複数の実験試料(最大16個)を搭載し、「きぼう」船外に半年程度設置します。また、実験試料や小さな物品を装置内部の収納ボックスに入れることもできます。本装置は温度測定システムを備えており、宇宙空間に曝している間の温度を測定することもできます。
i-SEEPに搭載されるさまざまな実験装置
電源や通信などのリソースを提供するi-SEEPを利用することで、技術実証や地球観測・宇宙観測、曝露実験などをより簡単に行うことができます。
搭載されるさまざまな実験装置
「きぼう」利用サービス紹介:中型曝露実験アダプタ(i-SEEP)による船外利用
超小型衛星放出事業の民間開放に続く第2弾として、2019年3月に「きぼう」の船外プラットフォームにおける軌道上利用サービスを提供する事業者を選定しました。
i-SEEPの利用に興味がある方は民間事業者までお問合せください。
※特に断りのない限り、画像クレジットは©JAXA