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2025.03.07
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きぼう利用ワークショップin Thailandの開催報告

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  • きぼうアジア利用推進室(KUOA)
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202522627日にタイのバンコクにて、きぼう利用ワークショップが開催されました。オンライン参加者を含め、54名が参加しました。

きぼう利用ワークショップは開催国の研究者や民間企業に対して、宇宙環境利用や「きぼう」で行われている実験や活動について紹介し、情報共有することを目的としています。また、このワークショップを通して新しい宇宙環境利用につながることを期待し開催されました。

今回はオンラインとバンコク現地のハイブリッド開催となりました。ワークショップ内では宇宙航空研究開発機構(JAXA)とタイ地理情報・宇宙技術開発機構(Geo-Informatics and Space Technology Development Agency: GISTDA)とタイ国立科学技術開発庁(Thailand National Science and Technology Development Agency : NSTDA)といった宇宙機関の他、大学の研究者や民間企業から教育活動や将来の宇宙環境利用に向けた研究の紹介などの講演が行われました。

本ワークショップ、および翌日に開催された施設見学については、NSTDAでも紹介されています。

図1. きぼう利用ワークショップ現地出席者による集合写真(Image by NASTDA)

タイにおける宇宙教育活動

本セッションでは、日本とタイで行われているKibo-ABCの活動の他、タイで行われている宇宙教育活動についていくつか紹介がありました。School Satellite Competitionと呼ばれるプログラムでは、学生が実際に小型衛星のデザインから実際の組み立て、試験まで学べるものであり、この他にもCanSat、宇宙のゲームを利用したプログラムなど多様な取り組みが紹介されました。また、タイでの宇宙メディアを盛り立てる企業の活動についても紹介がありました。

タイでの宇宙実験・微小重力環境実験例

本セッションでは、JAXAとGISTDAにおいて締結されている「きぼう」利用マウスサンプルシェアについての最新の進捗状況について、研究者から報告が行われました。また、タイで行っている宇宙食の開発や将来の宇宙農業に向けた研究内容についても紹介がありました。

宇宙産業

本セッションでは、日本とタイの民間企業がどのように宇宙環境を利用しているか、今後どのように活用していきたいかなどが紹介されました。日本からは株式会社Digital Blast(DB)、有人宇宙システム株式会社(JAMSS)、三井物産エアロスペース株式会社(MBA)、Space BD株式会社が参加し、現在の宇宙環境利用例やポストISSに向けた取り組みについて紹介がありました。タイからはDELV Aerospace Co., Ltd.とEOS Orbit Co., Ltd.が参加し、これまでに運用された小型衛星の開発や活用が紹介されました。

図2. きぼう利用ワークショップ講演の様子(Image by NASTDA)

NSTDA Technical Tour

2025年2月27日にはNSTDA Thailand Science Parkを訪問しました。テクニカルツアーではScience Park内で行われている研究の紹介や実験施設・設備を見学しました。実際にリチウム電池の研究を進めている研究者からは、将来宇宙で使用することを目指しているということで衛星への搭載計画が紹介されました。また、NASTDAが主催している学生向けの教育プログラムについていくつか紹介があり、改めて、タイ国内では様々な学生向けのプログラムが充実していることを認識しました。

図3. NSTDA Technical Tourの様子(Image by NASTDA)

ワークショップ、施設見学を通じ、タイと日本の宇宙機関、研究者、企業間での情報共有が活発に行われました。これらの活動が、きぼう利用を含む新たな宇宙協力に発展することを期待しています。

※特に断りのない限り、画像クレジットは©JAXA