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2023.09.04
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「きぼう」を活用したアジア科学利用の拡大 ~タイとの「きぼう」利用マウスサンプルシェア協定の締結~

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  • きぼうアジア利用推進室(KUOA)
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国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)とタイ地理情報・宇宙技術開発機構(Geo-Informatics and Space Technology Development Agency: GISTDA)は、JAXA小動物飼育ミッションでの未解析組織の供与に関して、アジア太平洋地域で初めてとなる「きぼう」利用マウスサンプルシェアに係る協力協定を締結しました。

本協定は2023年8月24日、JAXA筑波宇宙センターにてJAXA理事長やGISTDA長官の立ち会いのもと署名され、両宇宙機関の協力関係の更なる発展を象徴することとなりました。
協定書を手交するJAXA山川理事長(左)とGISTDA パコーン長官(右) 
協力成立を祝う両機関の関係者

「きぼう」利用マウスサンプルシェアは、きぼう利用戦略に基づき、地上の加齢や健康医療研究への貢献や今後の有人宇宙探査活動に向けた知見獲得を目指して、宇宙ミッションで取得した未解析組織等の有効活用や「きぼう」利用の裾野拡大、さらに科学的な成果創出を促進するためのサンプルシェア・プログラムです。

本協定に基づき、以下のタイの2つの研究テーマに対し、JAXAからGISTDAに未解析サンプルが提供される予定です。

  • マウス海馬内でのニューロン形態と電気的活動に対する人工的な月面重力の影響に関する研究
    脳組織の解析により、遺伝子発現プロファイルを観察し、月面相当の重力環境下(1/6G)でマウス脳神経変性が誘発されるかどうか研究されるものです。
  • 宇宙飛行中の筋骨格および代謝機能調節における神経内分泌系適応の研究
    宇宙飛行士だけでなく、寝たきりの患者や骨折患者のために、有酸素運動法プロトコルやカルシウムを豊富に含む栄養補助食品の開発に役立てることが期待されます。

JAXAとGISTDAはこれまでも高品質タンパク質結晶生成実験をはじめとして、様々な協力を実施してきました。今後の更なる協力の発展が期待されます。

※特に断りのない限り、画像クレジットは©JAXA