2024年6月29日(土)、第5回「きぼう」ロボットプログラミング競技会(Kibo Robot Programming Challenge:Kibo-RPC)の日本国内予選大会が開催されました。今回は応募総数29チームのうち、プログラムを提出した19チーム(表1)がシミュレータでのスピードと画像認識の正確さを競いました。
この結果、東京理科大学、早稲田大学の合同チーム「Celestial-Ravens」が見事に優勝しました!
「Celestial-Ravens」は日本代表として、Kibo-RPC参加国・地域の代表とともに軌道上決勝大会(「きぼう」船内でNASAのドローンロボットAstrobee(アストロビー)実機を使用する実環境での競技)に参加します。
今回の日本国内予選大会はJAXA筑波宇宙センターとオンラインのハイブリッドで開催し、8チームが筑波宇宙センターでイベントに参加しました。筑波宇宙センターに国内予選の参加者を迎えるのは、初めてです。
この結果、東京理科大学、早稲田大学の合同チーム「Celestial-Ravens」が見事に優勝しました!
「Celestial-Ravens」は日本代表として、Kibo-RPC参加国・地域の代表とともに軌道上決勝大会(「きぼう」船内でNASAのドローンロボットAstrobee(アストロビー)実機を使用する実環境での競技)に参加します。
今回の日本国内予選大会はJAXA筑波宇宙センターとオンラインのハイブリッドで開催し、8チームが筑波宇宙センターでイベントに参加しました。筑波宇宙センターに国内予選の参加者を迎えるのは、初めてです。
表1. 日本国内予選大会参加チームリスト(アルファベット順)
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チーム名 | 所属校 | メンバー数 |
Astro Samurais KFK | 学校法人ワオ未来学園ワオ高等学校 | 3名 |
Celestial-Ravens | 東京理科大学 早稲田大学 |
3名 |
Codect | 成田市立公津の杜小学校 マルバーンカレッジ東京 K international school 渋谷教育学園幕張中学校 幕張インターナショナルスクール 福岡市立西都北小学校 |
6名 |
HumanMBD | 総合学園ヒューマンアカデミー大阪心斎橋校 | 8名 |
Hyperion | 神戸大学 | 7名 |
KENHERO | 広島県立広島高等学校 | 3名 |
NullOverflow | 長岡工業高等専門学校 | 3名 |
Octet | 関西大学 | 3名 |
Planner | 群馬大学 筑波大学 |
3名 |
Pokkens | 足立区立加平小学校 市川市立中国分小学校 Ecole de Chambors |
3名 |
Project Neco | 海城中学高等学校 | 3名 |
RISM | 石川工業高等専門学校 電気通信大学 |
5名 |
Sora Squad | Imperial College London Columbia University |
4名 |
SSSRC | 大阪公立大学 | 6名 |
Stellar Coders | 琉球大学 | 7名 |
team HMMT | 静岡大学 | 3名 |
THORAN | 香川大学 東京工業大学 名城大学 京都大学 奈良女子大学 横浜国立大学 |
6名 |
Universe | 晃華学園高等学校 | 4名 |
Young Innovation Rivers | 橘学苑中学校・高等学校 カナディアンインターナショナルスクール 横浜市立森の台小学校 |
3名 |
国内予選大会について
日本国内予選大会(当日のイベントプログラムは表3参照)は、宇宙キャスターの榎本麗美さんによる司会進行のもと、東京大学大学院工学系研究科の中須賀真一教授、Kibo-RPC協賛企業である株式会社セックのエンジニアが解説員として参加しました。
イベントは、Kibo-RPCのルール説明に続き、参加した各チームによるチーム紹介のあと、事前に行われたシミュレーションの再生動画を解説員の解説とともに参加者全員で確認しました。その後、JAXAの若手研究開発員と株式会社セックのエンジニアをパネリストに迎え、「Kibo-RPCに関わる予定のロボットたち」と題したパネルディスカッションを行い、昨年度打ち上げた「JEM船内可搬型ビデオカメラシステム実証2号機(Int-Ball2)」の稼働状況や、現在開発が進められている宇宙実験の遠隔化・自動化・自律化を目指したロボットである「「きぼう」自動実験システム(GEMPAK)」について、熱いトークで盛り上がりました。将来的にはこれらのロボットを使用したKibo-RPCも実施していきたいとの話もあり、参加者はとても興味深そうに聞いていました。
イベントの最後に表彰式を行い、上位3チームが表彰されました。3位は関西大学のチーム「Octet」、2位は群馬大学と筑波大学の合同チーム「Planner」、そして1位は東京理科大学と早稲田大学の合同チーム「Celestial-Ravens」でした(表2参照)。
優勝した「Celestial-Ravens」は、本予選大会で行われた10回のシミュレータの実行において全ての画像を正確に認識することができた唯一のチームであり、正確な画像処理の差が優勝の決め手となりました。
イベント終了後には交流会を開催しました。交流会は、参加者からの事前アンケートで最も人気の高かったトピックに基づき、JAXA職員による「JAXAのお仕事紹介(「きぼう」の利用)」、株式会社セックのエンジニアによる「宇宙開発における産業界の役割と民間企業の宇宙開発について」、中須賀教授による「大学での宇宙開発」と題した特別講演会を行いました。その後、見事優勝した「Celestial-Ravens」チームからどのような戦略で今回の大会に臨んだのかの紹介や、当日の参加者からの質問に運営側が答えるなど、参加者の今後のプログラム開発に役立つものも多くありました。交流会は非公開で行ったためYouTubeで確認することはできませんが、APK(Android Application Package;Astrobeeを制御するためのプログラム)を提出したチームの特典として、密度の濃い交流が行われました。
イベントは、Kibo-RPCのルール説明に続き、参加した各チームによるチーム紹介のあと、事前に行われたシミュレーションの再生動画を解説員の解説とともに参加者全員で確認しました。その後、JAXAの若手研究開発員と株式会社セックのエンジニアをパネリストに迎え、「Kibo-RPCに関わる予定のロボットたち」と題したパネルディスカッションを行い、昨年度打ち上げた「JEM船内可搬型ビデオカメラシステム実証2号機(Int-Ball2)」の稼働状況や、現在開発が進められている宇宙実験の遠隔化・自動化・自律化を目指したロボットである「「きぼう」自動実験システム(GEMPAK)」について、熱いトークで盛り上がりました。将来的にはこれらのロボットを使用したKibo-RPCも実施していきたいとの話もあり、参加者はとても興味深そうに聞いていました。
イベントの最後に表彰式を行い、上位3チームが表彰されました。3位は関西大学のチーム「Octet」、2位は群馬大学と筑波大学の合同チーム「Planner」、そして1位は東京理科大学と早稲田大学の合同チーム「Celestial-Ravens」でした(表2参照)。
優勝した「Celestial-Ravens」は、本予選大会で行われた10回のシミュレータの実行において全ての画像を正確に認識することができた唯一のチームであり、正確な画像処理の差が優勝の決め手となりました。
イベント終了後には交流会を開催しました。交流会は、参加者からの事前アンケートで最も人気の高かったトピックに基づき、JAXA職員による「JAXAのお仕事紹介(「きぼう」の利用)」、株式会社セックのエンジニアによる「宇宙開発における産業界の役割と民間企業の宇宙開発について」、中須賀教授による「大学での宇宙開発」と題した特別講演会を行いました。その後、見事優勝した「Celestial-Ravens」チームからどのような戦略で今回の大会に臨んだのかの紹介や、当日の参加者からの質問に運営側が答えるなど、参加者の今後のプログラム開発に役立つものも多くありました。交流会は非公開で行ったためYouTubeで確認することはできませんが、APK(Android Application Package;Astrobeeを制御するためのプログラム)を提出したチームの特典として、密度の濃い交流が行われました。
表2. 日本国内予選大会の結果(順位表)
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順位 | チーム名 | 学校名 (都道府県名) |
スコア (平均) |
スコア (放送) |
1 | Celestial-Ravens | 東京理科大学(東京都)、早稲田大学(東京都) | 261.56 pt | 261.6 pt |
2 | Planner | 群馬大学(群馬県)、筑波大学(茨城県) | 227.73 pt | 186.0 pt |
3 | Octet | 関西大学(大阪府) | 224.36 pt | 253.4 pt |
4 | StellarCoders | 琉球大学(沖縄県) | 222.44 pt | 197.5 pt |
5 | SSSRC | 大阪公立大学(大阪府) | 201.55 pt | 225.6 pt |
6 | RISM | 石川工業高等専門学校(石川県)、電気通信大学(東京都) | 164.41 pt | 183.3 pt |
7 | Hyperion | 神戸大学(兵庫県) | 135.58 pt | 194.3 pt |
*スコア(平均):10パターンのシミュレータの実行における平均点数(最終順位)
スコア(放送):10パターンのシミュレータの実行のうち放送されたパターンでの点数
スコア(放送):10パターンのシミュレータの実行のうち放送されたパターンでの点数
表3. Kibo-RPC国内予選大会のプログラム
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プログラム | 出演者 | |
1 | オープニング 「きぼう」ロボットプログラミング競技会とは |
司会/宇宙キャスター 榎本麗美 |
2 | ルール説明とみどころポイント | 株式会社セック 永瀨桂 |
3 | 各チームのチームリーダーによる自己紹介(アルファベット順:表1)とシミュレーション動画による競技 | 解説員/ ・東京大学 中須賀真一 ・株式会社セック 永瀨桂 |
4 | パネルディスカッション 「Kibo-RPCに関わる予定のロボットたち」 |
・JAXA有人宇宙技術センター 山本竜也 ・JAXAきぼう利用センター 坂本琢馬 ・株式会社セック開発本部第三開発部 井上翔太 |
5 | 結果発表と表彰 ヒーローインタビューとシミュレーション解説 |
・東京大学 中須賀真一 ・Celestial-Ravens |
6 | 講評 | ・東京大学 中須賀真一 |
7 | クロージングコメント | 宇宙キャスター 榎本麗美 |
8 | 交流会 ① JAXAのお仕事紹介(「きぼう」の利用) ② 産業界における衛星・ロボットのソフトウェア開発事情 ③ 大学での宇宙開発 ④ トップチームの戦略 |
宇宙キャスター 榎本麗美 ① JAXAきぼう利用センター 梅村さや香 ② 株式会社セック 井上翔太 ③ 東京大学 中須賀真一 ④ Celestial-Ravens |
つくば宇宙センター見学
今回の国内予選大会は合計24名の学生と引率者8名が筑波宇宙センターを訪問、イベントの前後で筑波宇宙センターの見学を実施しました。
筑波宇宙センターを訪問した学生と引率者は、ロケット広場での記念撮影を行い、宇宙ステーション試験棟にて「Int-Ball2」などのJAXAが開発するロボットを見学しました。その後、「きぼう」運用管制室(Mission Control Room: MCR)の見学では、現在「きぼう」で行われている宇宙実験やミッションについて紹介がありました。
国内予選大会イベント後にも見学が行われ、宇宙ステーション試験棟に再度訪れ、今度はパネルディスカッションでも話題に上がった「GEMPAK」についての説明を受け、操作体験をしました。そして最後に宇宙飛行士養成棟を見学し、本イベントが終了しました。
筑波宇宙センターを訪問した学生と引率者は、ロケット広場での記念撮影を行い、宇宙ステーション試験棟にて「Int-Ball2」などのJAXAが開発するロボットを見学しました。その後、「きぼう」運用管制室(Mission Control Room: MCR)の見学では、現在「きぼう」で行われている宇宙実験やミッションについて紹介がありました。
国内予選大会イベント後にも見学が行われ、宇宙ステーション試験棟に再度訪れ、今度はパネルディスカッションでも話題に上がった「GEMPAK」についての説明を受け、操作体験をしました。そして最後に宇宙飛行士養成棟を見学し、本イベントが終了しました。
なお、優勝チームの「Celestial-Ravens」は、日本の代表として、10月頃予定の軌道上決勝大会に臨みます。軌道上決勝大会にはKibo-ABC参加国・地域に加え、アメリカ合衆国、また昨年度に新たに設置された「UNOOSA(国連宇宙部) international slot」として参加国・地域外のチームも参戦します。
世界の強豪たちが集う軌道上決勝大会で日本代表の「Celestial-Ravens」が世界一を目指しますので、皆さん、ぜひ応援をお願いいたします!
世界の強豪たちが集う軌道上決勝大会で日本代表の「Celestial-Ravens」が世界一を目指しますので、皆さん、ぜひ応援をお願いいたします!
※特に断りのない限り、画像クレジットは©JAXA