科学技術に携わる者の意欲の向上を図り、我が国の科学技術の水準の向上に寄与することを目的として、科学技術に関する研究開発・理解増進等において顕著な成果を収めた者に与えられる「令和6年度科学技術分野の文部科学大臣表彰」において、JAXA有人宇宙技術部門きぼう利用センターとJAXA宇宙教育センターのKibo-ABCに係る取り組みが「科学技術賞(理解増進部門)」を受賞しました。
詳細は、文部科学省のホームページをご参照ください。
科学技術賞(理解増進部門)
業績名
受賞者
氏名 | 表彰選考時の所属(カッコ内は表彰時の現所属) |
谷垣文章 | JAXA有人宇宙技術部門 技術領域主幹(JAXA宇宙教育推進室 室長) |
荒金恭一 | JAXA有人宇宙技術部門 主任研究開発員 |
宮川(舘林)弥生 | JAXA有人宇宙技術部門 主任 |
永瀨桂 | JAXA有人宇宙技術部門 研究開発員((株)セック 開発本部 主任) |
高柳昌弘 | JAXA宇宙教育推進室 特任専門員 |
受賞概要
日本がアジア唯一の国際宇宙ステーション(ISS)計画参加国であることの重要性を踏まえ、JAXAきぼう利用センターはアジア・太平洋地域においてISS・「きぼう」日本実験棟の利用促進を図っている。この施策の1つとして、Kibo-ABC(「きぼう」を利用したアジア・太平洋協力イニシアチブ)という枠組みを設け、日本を含むアジア・太平洋諸国の青少年や若手研究者を主な対象として、ISSを利用した宇宙科学技術の理解増進のため、人材育成に資する3つの教育プログラムを実施している。
当該プログラムは、物理実験の「アジアントライゼロG」、植物実験の「アジアの種子」に加え、2020年に創設したプログラミング分野の「「きぼう」ロボットプログラミング競技会」で構成され、継続して実施している。「アジアの種子」では、国内向けにはJAXA宇宙教育センターが「うちゅうのたね」を実施した。
近年では米国や国連との連携により世界中の発展途上国の青少年へも対象を拡大し、2017年度以降、45万人以上の参加者を得ている。これら活動は、国内外の青少年の宇宙科学技術への関心喚起と理解増進、およびSTEM(科学・技術・工学・数学)教育や多国参加によるグローバル人材の育成などSDGsの人材育成分野に寄与している。また、発展途上国との協力の維持発展、地球低軌道の利用促進、並びに日本のリーダシップ発揮やプレゼンス向上につながる国際宇宙協力強化において、宇宙基本計画の実現に寄与している。
受賞コメント
このたびは、栄誉ある賞を賜り大変光栄に存じます。
私達のチームは、国際協力としてアジア・太平洋地域の宇宙機関や組織に対して、「きぼう」の利用促進を図ってまいりました。その多様な活動の1つが、青少年や若手研究者の人材育成であり、諸外国と連携し、日本を含む多くの国と地域の若者に、宇宙科学・技術に触れる体験型学習機会を提供してまいりました。今回はその幅広い取り組みが評価いただけたものと考えます。また、諸外国からは当活動を通した日本の貢献に多くの謝辞をいただいており、当活動の重要性をひしひしと感じております。
今後も「きぼう」の人材育成分野における活用を進め、「きぼう」の価値を国内外で共有する取り組みに邁進してまいります。
最後になりましたが、JAXAの多くの関係者の皆様ならびに私達と共に当活動を支えてくださった(株)エイ・イー・エス、(株)セック、(株)デジタルブラスト、(株)メディアアトリエの皆様に深く感謝申し上げます。
※特に断りのない限り、画像クレジットは©JAXA