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2025.08.22
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第6回「きぼう」ロボットプログラミング競技会の予選が各参加国・地域で行われました!

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概要

JAXAが主催する、第6回「きぼう」ロボットプログラミング競技会(Kibo Robot Programming Challenge: Kibo-RPC)※1 は、 2025年2月17日よりKibo-RPC参加国・地域(12か国・地域)および国連宇宙部(UNOOSA)を含む計13の国・地域・組織で参加者の募集を行いました。今回は過去最多の738チーム、3,082人の応募がありました(表1)。今回のKibo-RPCでは、国際宇宙ステーション(ISS)船内のドローンロボット「Astrobee」に画像認識を行わせ、その精度とスピードを競います。表示される画像の種類や難易度が異なる10パターンのシミュレーションを実行し、10回分のスコアの平均値で順位を決定しました。

表1. Kibo-RPC参加状況

国・地域名(アルファベット順) チーム数 参加人数
オーストラリア 9 38
バングラデシュ 130 575
インドネシア 28 127
日本 33 149
マレーシア 90 391
ネパール 6 25
フィリピン 27 156
シンガポール 21 68
台湾 77 307
タイ 208 759
UNOOSA 51 235
アメリカ合衆国 56 240
ベトナム 2 12
合計 738 3,082

各国・地域の予選について

各参加国・地域の予選期間である2025年6月末から7月上旬の間に、各担当機関が主催する予選会が開催されました。中には大きなイベントとして予選会イベントを行った国や地域もあり、大変盛り上がった様子が報告されています。
予選会イベントを行った国・地域からのレポートや各予選の優勝チームについて、アルファベット順で紹介します!

(1)オーストラリア

オーストラリアでは、担当機関が各チームのプログラムを予選会用のシミュレーション環境で実行しました。その結果、昨年度に引き続きDream Roverが見事優勝しました。

オーストラリア優勝チーム:Dream Rover

(Image by ASA, One Giant Leap Australia Foundation)

(2)バングラデシュ

バングラデシュでは、担当機関が予選会用のシミュレーション環境で各チームのプログラムを実行しました。その結果、Cortex Roboticsが優勝をはたしました。予選結果はSNSで発表されています。

バングラデシュ優勝チーム:Cortex Robotics

(Image by STEMX365)

(3)インドネシア

28チームが参加したインドネシアでは、予選会に先立ち各チームのプログラムを担当機関がシミュレーション環境で実行しました。7月3日に開催したオンラインでの国内予選会イベントでは、学生向けのプログラムの紹介や基調講演が行われました。事前のシミュレーションで得られた平均スコアの結果をもとに、Narantaka GMATが優勝チームとして表彰されました。

インドネシア優勝チーム:Narantaka GMAT

(Image by BRIN)

オンライン予選会の様子:

開会のあいさつ:宇宙研究センター長
講演:インドネシア宇宙庁担当理事による宇宙協力と教育について
講演:人材教育部門長によるタレント・スカウティング・プログラムについて
講演:宇宙研究センター研究員による宇宙科学エンジニアについて

(4)日本

日本の国内予選大会は、JAXA 筑波宇宙センターとオンラインのハイブリッドで開催されました。予選会の前に、各チームのプログラムをJAXAがシミュレーション環境で実行し、イベントでは平均スコアの実施結果より、FUNABASHIが優勝を果たしました。また、新設されたビギナーズコースの結果発表も行われ、優勝チームastrobotの表彰も行われました。
予選大会終了後には、オンライン参加者も含めたワークショップを開催しました。あわせて、JAXA 筑波宇宙センターを訪問した参加者向けに、センター内の特別見学会も開催しました。

日本優勝チーム:FUNABASHI

(5)マレーシア

マレーシアでは担当機関が予選会用のシミュレーション環境で各チームのプログラムを実行しました。その結果、Automenが優勝しました。

マレーシア優勝チーム:Automen

(Image by MYSA)

(6)ネパール

今年は6チームが応募し、予選会用にプログラムを提出しました。担当機関が予選会用のシミュレーション環境で各チームのプログラムを実行し、その結果、404 Yeti Not Foundが優勝しました。

ネパール優勝チーム:404 Yeti Not Found

(Image by NESARC)

(7)フィリピン

フィリピンは、担当機関が予選会用のシミュレーション環境で各チームのプログラムを実行し、その結果、昨年に引き続き、Inflection Pointが優勝しました。プレスリリースやSNSで結果が発表されています。

フィリピン優勝チーム:Inflection Point

(Image by PhilSA)

(8)シンガポール

シンガポールは、担当機関が予選会用のシミュレーション環境で各チームのプログラムを実行しました。その結果、Astrovibeが優勝しました。

シンガポール優勝チーム:Astrovibe

(Image by SSTL)

(9)台湾

台湾ではオンサイトで予選会イベントを開催し、独自の評価基準(プログラムのシミュレーション結果:90%、予選会当日のプレゼンテーション(チーム紹介、工夫した点等):10%)で審査を行い、順位を決定しました。その結果、iTronが優勝しました。

台湾優勝チーム:iTron

(Image by TASA)

(10)タイ

タイでは、担当機関が予選会用のシミュレーション環境で各チームのプログラムを実行しました。その結果、Syntax Waiyakornが優勝しました。後日、オンラインで優勝チームを発表し、8月29日(金)に開催される日本博バンコク(Nippon Haku Bangkok)で表彰式を開催する予定です。

タイ優勝チーム:Syntax Waiyakorn

(Image by NSTDA)

(11)アメリカ合衆国

アメリカでは、担当機関が予選会用のシミュレーション環境で各チームのプログラムを実行しました。予選結果はオンラインで開催されたイベント内で発表され、StarStrikersが優勝しました。

US優勝チーム:StarStrikers

(Image by NASA)

(12)国連宇宙部(UNOOSA)

UNOOSAでは、25か国から51チームが参加しました。予選会用のシミュレーション環境で各チームのプログラムを実行し、シミュレーションの結果と各チームのプレゼン内容から、パキスタンの大学生チーム5AMが優勝しました。

UNOOSA優勝チーム:5AM

(Image by UNOOSA)

(13)ベトナム

2チームが応募し、そのうち1チームから予選会用プログラムの提出がありました。そのため予選会は行わず、担当機関が予選用のシミュレーション環境でプログラムを実行し、評価を行いました。その結果、Yellow Starsが正式に代表チームとして選出されました。

ベトナム優勝チーム:Yellow Stars

(Image by VNSC)

今回の各国・地域・組織の予選会で優勝したチーム(表2)は、決勝大会に進む代表チームとして選ばれました。次のステージでは、学生たちが開発したプログラムを使って、画像認識の精度やミッション完了までの早さを競い合います。どのチームが優勝するのか、彼らの勇姿にご注目ください。
また今回残念ながら決勝大会に進めなかったチームには、この機会に学んだことや経験したことを今後に活かし、様々な方面でご活躍されることを期待しています。Kibo-RPCは今後も実施する予定なので、学生の方々はぜひチャレンジしてみてください!

表2. 各国・地域 代表チーム一覧

国・地域名(アルファベット順) 代表チーム
オーストラリア Dream Rover
バングラデシュ Cortex Robotics
インドネシア Narantaka GMAT
日本 FUNABASHI
マレーシア Automen
ネパール 404 Yeti Not Found
フィリピン Inflection Point
シンガポール Astrovibe
台湾 iTron
タイ Syntax Waiyakorn
アメリカ合衆国 StarStrikers
UNOOSA 5AM
ベトナム Yellow Stars
※1 Kibo-RPC
Kibo-RPCは、日米オープン・プラットフォーム・パートナーシップ・プログラム(JP-US OP3)を通じた日米協力に基づいて、アジア・太平洋地域における「きぼう」利用の促進とSDGsへの貢献(人材育成)を目的に、JAXAとNASAが協力して取り組んでいる活動です。本活動を通じて、同地域の学生に宇宙でのロボット操作やコンピュータプログラミングに関する教育機会を提供しています。

関連リンク

※特に断りのない限り、画像クレジットは©JAXA