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2021.09.30
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Asian Herb in Space:宇宙飛行種子の返還と地上対照実験を行いました

  • きぼうアジア利用推進室(KUOA)
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はじめに

アジアン ハーブ イン スペース:Asian Herb in Space (AHiS)」プロジェクトにて、国際宇宙ステーション(ISS) の「きぼう」で栽培したバジルと「きぼう」に保管していた宇宙飛行種子が2021710日(以降、日本時間)にSpX-22で地上に回収されました。米国から輸送され、2021730日にJAXAに到着しました。

図1 JAXAに到着したバジルと種子

AHiSミッション

AHiSは、2つのミッションから構成されています。
ミッション1は、「きぼう」でバジルを約1か月間育て、地上に回収したバジルを研究者が解析して宇宙環境の影響評価を行うとともに、学生達が地上で自ら栽培した結果と比較し宇宙生物学を学ぶミッションです。実験器材は2020年12月7日にSpX-21で打ち上げられました。2021年2月16日に、野口宇宙飛行士によって4個の栽培容器に初期給水が行われ、実験を開始しました。
実験を終了した栽培容器はそのままISSの冷凍・冷蔵庫(MELFI)に凍結保管し、冷凍状態で地上に回収を行いました。図1は、JAXAに到着した時の写真です。
ミッション2は、「きぼう」に保管し回収した「宇宙飛行した種子」を学生達が育てて科学に触れる機会を提供するミッションです。このミッションでは、Kibo-ABCに加盟する11の国や地域から選抜された22種類のハーブ種子を打ち上げました。これらの種子は、2回に分けて打ち上げられ、「きぼう」で約7か月間または約1か月間の保管が行われました。

JAXAに到着した宇宙飛行種子は、種子を提供した各国/地域への返還作業を進めており、既に数ヶ国では種子が教育プログラムに利用されています。

ミッション1の地上対照実験

ミッション1のバジル栽培試験は、宇宙環境で栽培したバジルと、地上で栽培したバジルの比較を行うため、JAXAの筑波宇宙センターで地上対照実験を行いました。地上対照実験は、宇宙で栽培したバジルと同じ数の種子を用い、「きぼう」で栽培した際の温度、湿度、二酸化炭素濃度、光量を模擬して、2021年8月3日から9月2日まで30日間栽培しました。
詳細な解析はこれからですが、バジルの茎の長さは、地上より、「きぼう」で栽培したバジルのほうが長い傾向がありました。今後、この宇宙実験と地上対照実験のサンプルについて、マレーシアと日本の研究者による解析が行われます。
図2 スイートバジルの30日栽培後 ISSと地上の比較
図3 ホーリーバジルの30日栽培後 ISSと地上の比較

関連トピックス

※特に断りのない限り、画像クレジットは©JAXA