新鮮な果物や野菜を宇宙でも
ISS計画では、補給船を保有する国はISSに⻑期滞在する宇宙⾶⾏⼠に⽣鮮⾷品(果物および野菜)を届けています。これまでに、⽇本が保有する宇宙ステーション補給機「こうのとり」に搭載し、ISSへ届けた⽇本全国の季節の果物や野菜をご紹介します。

生鮮食品の選定方法

都道府県農林水産省担当者連絡協議会を通じて全国の都道府県に、生鮮食品(果物、野菜に限る)に関する情報提供(特産、収穫の時期等)を依頼し情報提供を受けます。
提供された情報を基に、調達可能時期と打上げ時期が合うこと、調理性、保存性、衛生性、安全性、食品残渣、搭載量の制約等の技術的要件から候補品を複数選定のうえ、味を評価(官能評価)し、選定委員会にて選定を行います。
搭載する生鮮食品の技術的要件
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要件 | 内容 |
調理性 | 生食が可能なこと |
保存性 | HTV搭載時の種子島宇宙センターおよびHTV与圧部の温度環境を模擬した環境において、4週間以上の保存が可能なこと |
衛生性 | 除菌後、一般生菌数が10,000CFU/g以下であること |
安全性 | 種子を食べる食品でないこと、喫食の際著しい果汁の飛散が無いこと、アレルギー等の表示対象食品でないこと |
食品残渣 | 喫食後の食品残渣が極力少ないこと |
搭載量の制約 | 規定のスペースに搭載可能であること |
調理性 | 保存試験※や搭載する時期に調達が可能な食品であること |
※ 保存試験:搭載する生鮮食品の4週間の保存性を確認するための試験であり、22℃(実際の搭載環境を模擬した温度変化も実施)、4週間、一般生菌数、酵母カビ、官能検査を実施して確認します。
搭載までの準備作業

打上げ約4週間前(HTVの場合)から搭載生鮮食品の選定を行います。選定された食品は、種子島宇宙センターにて、除菌、乾燥、梱包を行い、物資輸送用バッグ(CTB)へ詰め込まれます。その後、CTBの外観確認を行い、宇宙機へ搭載し、ISSへ届けられます。
射場作業プロセス(HTVの場合)

除菌、乾燥(打上げ約10日~8日前)

梱包(打上げ約8日前)

物資輸送用バッグ(CTB)への詰め込み
(打上げ約7日前)

CTBの外観確認、宇宙機への搭載
(打上げ約5日~4日前)
日本の生鮮食品
生鮮食品の搭載はHTV5号機から開始されました。この様な長期保存が効かないものも、打上げ直前に積みこみ早く取り出すことができる速達サービス(レイトアクセス)により、鮮度の高い生鮮食品の輸送を可能にしました。

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