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2024.01.05
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第29回アジア・太平洋地域宇宙機関会議(APRSAF)でのKibo-ABCワークショップの開催報告

  • きぼうアジア利用推進室(KUOA)
  • 「きぼう」利用のご案内
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2023年9月18日にインドネシアの首都ジャカルタにて、インドネシアの宇宙機関であるインドネシア国家研究イノベーション庁(BRIN)の Emanuel Sungging 宇宙研究センター長とJAXA谷垣文章技術領域主幹が議長を務め、Kibo-ABC(Asian Beneficial Collaboration through “Kibo” Utilization)ワークショップが開催されました。オンライン参加者を含め、10か国・地域の17機関から47名が参加しました。

Kibo-ABCアジア・太平洋地域宇宙機関会議Asia-Pacific Regional Space Forum: APRSAF)の宇宙フロンティア分科会(Space Frontier Working Group: SFWG)の前身の宇宙環境利用分科会(Space Environment Utilization Working Group: SEUWG)により2012年に創設されたイニシアチブで、アジア・太平洋地域における「きぼう」の利用を促進し、「きぼう」利用の価値を共有することを目的としています。

Kibo-ABCワークショップはAPRSAFの開催に合わせて毎年開かれており、今回はオンラインとジャカルタ現地のハイブリッド開催となりました。Kibo-ABC加盟国・地域のメンバーは毎月WEBミーティングを行っていますが、このワークショップではメンバーが一堂に集まり、Kibo-ABCの各種プログラム「アジアの種子SSAF)」「アジアントライゼロG」「「きぼう」ロボットプログラミング競技会」について報告が行われました。

図1. Kibo-ABCワークショップ出席者による集合写真

「きぼう」ロボットプログラミング競技会(Kibo-RPC)セッション

「きぼう」ロボットプログラミング競技会(以下、Kibo-RPC)は、宇宙飛行士をサポートするために開発された国際宇宙ステーション(ISS)船内ドローンであるInt-Ball(JAXA)とAstrobee(NASA)のプログラミングをすることで、さまざまな課題を解決する教育プログラムです。今回で第4回目となったKibo-RPCに参加した国・地域のうち9か国・地域から予選の結果報告とメディア等での報道状況報告がありました。昨年に引き続き、解説動画の作成やオンラインイベント、勉強会を通して人材育成をより促進した参加国もあり、成績上位者へのインセンティブ授与など各国・地域の取り組みが共有されました。また、本大会から国際的な参加枠組みとして「UNOOSA International Slotが設置されたことにより、これまでの大会よりも幅広い地域から参加可能になったことが評価されました。一方で、これまでプログラミングをしたことのない学生にとっては難しい内容であったなど、課題について意見が交わされました。そして最後に、次年度に第5回大会が開催予定であることがアナウンスされました。

アジアの種子(SSAF)セッション

「アジアの種子(SSAF: Space Seeds for Asian Future)」は、Kibo-ABCのプログラムのひとつで、アジア・太平洋地域の若手研究者や青少年に、宇宙実験や宇宙環境利用研究について学ぶ機会を提供するために行われています。そしてアジアの種子プログラムの一つであるアジアン ハーブ イン スペース(以下、AHiS)について参加各国から報告が行われました。

AHiS参加国・地域のうち、バングラデシュ、インドネシア、日本、シンガポール、台湾、タイの6か国・地域から、ミッション1※1 の解析準備状況や地上対照実験の結果、ミッション2※2 の教育プログラムの活動状況などが報告されました。バングラデシュおよびタイからは宇宙から帰還した種の学生への授与式の様子や、地上対照実験との比較が紹介されました。
※1 「ミッション1」では、日本のスイートバジル種子と、マレーシアのホーリーバジル種子を打上げ、軌道上で約1か月間栽培後、凍結回収し、日本とマレーシアの研究者が、植物への宇宙環境影響を解析(成長解析、代謝産物解析等)します。地上では、JAXAが提供したスイートバジル種子を参加学生が栽培し、軌道上の栽培結果と比較・考察すると共に、上記研究者の分析結果を参照し、宇宙実験の意義や成果を学びます。
※2 「ミッション2」では、各国・地域から収集したハーブ種子を宇宙飛行させた後、各地に返還し、そこで参加各機関により教育・研究活動に利用されます。

アジアントライゼロG セッション

アジアントライゼロGとはアジア・太平洋地域における宇宙環境利用の普及を図るため、軌道上での簡易実験アイデアを各国の青少年を対象に募集し、選定された実験をISS長期滞在の日本人宇宙飛行士が「きぼう」で行うプログラムです。本ワークショップ内ではアジアントライゼロG 2022 の宇宙実験の様子と実験提案者による成果報告会の様子が報告されました。

また、オーストラリア、バングラデシュ、インドネシア、日本、フィリピン、シンガポール、台湾、タイの8か国・地域から今年度実施しているアジアントライゼロG 2023の準備状況が報告され、テーマ選定の様子やメディア等での報道状況が報告されました。また、各国・地域でのアジアントライゼロG のプロモーション活動の方法が紹介され、今後の応募者増加につなげるための議論が行われました。

図2. Kibo-ABCワークショップの様子(Image by JAXA and BRIN)

図3. Kibo-ABCワークショップの議長JAXAの谷垣文章技術領域主幹、インドネシア国家研究イノベーション庁Emanuel Sungging氏(Image by JAXA and BRIN)
本ワークショップ全体を通して、現在進められているプログラムを進めていくうえで各国・地域の抱えている課題について活発な議論が行われました。また、ISSの運用延長に日本政府が参加表明したことを受け、各国・地域の宇宙利用への関心をさらに高めるために新たなKibo-ABCのプログラムの可能性について議論が行われました。これらの議論については引き続き参加国・地域で議論していくことで合意し、本ワークショップは終了しました。

Kibo-ABCワークショップの結果は、以下の資料により、APRSAF-29の本会議で報告されました。

Kibo-ABCワークショップ情報

日時 2023年9月18日 10:00~16:40(West Indonesian Time, UTC+7)
Agenda Kibo-ABCワークショップアジェンダ(英語)PDF
参加国・地域数 10か国・地域、17機関
参加人数 47名(オンラインでの参加者含む)

※特に断りのない限り、画像クレジットは©JAXA