本連携協力協定では、月の水資源を利用した月面推薬生成プラント構想に関する概念検討を行い、その実現に必要な技術要素、研究課題の洗い出しおよび研究開発計画の検討を実施してまいります。JAXAは、本連携協力協定を通して、2040年代以降の月面での持続的な探査活動の実現を目指します。
※月面推薬生成プラント
月面の砂(レゴリス)に含まれる水分を抽出し、有人月離着陸機や飛翔移動機の燃料となる液体水素および液体酸素を生成する設備。JAXAの月探査ロードマップで、2040年代以降の持続的な探査活動に必要な中核システムとして位置付けられている。
JAXAは、将来の月面での持続的な探査活動を目指し、技術調整や国際調整を進めています。今回、日揮グローバルが、月面推薬生成プラントの実現に向けて、JAXAとともに概念検討を進めて頂けることを大変心強く思います。月面推薬生成プラントは、2040年代以降の持続的な探査活動に必要な中核システムであり、我が国の技術力を結集して技術検討に取り組んでいきたいと考えています。
JAXAの持続的な探査活動
国際宇宙探査と有人月探査シナリオについて
人類の活動領域を、月さらには火星へと拡大するためには、持続的かつ実現可能な宇宙探査の計画が重要です。2000年代初頭から、米国をはじめとした国際協力による有人宇宙探査計画の検討が開始され、2018年、文部科学大臣主催により、40か国を超える国・機関の代表により開催された第2回国際宇宙探査フォーラム(ISEF2)では、月・火星・その先の太陽系の探査活動が広く共有された目標であり、持続可能な形での探査の実施の重要性が確認されました。 また、現在、26の宇宙機関が参加する国際宇宙探査協働グループ(ISECG)では、国際協調による宇宙探査に向けたロードマップ検討が進められており、JAXAでは、これらに連動する形で、国際宇宙探査シナリオの検討を継続的に実施しています。 2019年10月、日本は、米国提案による国際宇宙探査プロジェクトである「アルテミス計画」に参画することを政府として決定し、JAXAは火星なども視野に入れた月周回有人拠点(Gateway)や持続的な月面探査の基盤整備への貢献を目指し研究等を進めています。
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