宇宙飛行士の健康を⽀える健康管理運用技術
宇宙は、⼈間にとって厳しい環境です。短期間の宇宙⾶⾏では、体液の分布が変わることや宇宙酔いが主な問題ですが、⻑期滞在では⾻や筋⾁の減少、放射線被ばく、船内の空気・水などの環境汚染、閉鎖されていることによる心理的な影響など、問題もより広範になります。
こうしたさまざまな課題に対応するために、医療分野の他、運動生理学、神経生理学、精神・心理学、放射線防護、環境衛生学、栄養学など、各分野の専門家が支援を行っています。
また、食や被服など生活用品も宇宙飛行士が健康的に生活するためには欠かせないものです。
宇宙飛行士の健康をサポートする
医学運用チーム
宇宙飛行士の健康管理運用は、長期にわたるものです。宇宙飛行士は、地上で訓練やミッション支援業務を行っている間も、健康状態を管理・維持する必要がありますし、さらにミッション任命後の宇宙飛行士を支える健康管理運用には、打上前/宇宙滞在中/帰還後の3つの段階があります。その間の、さまざまな課題への対応は、フライトサージャン(航空宇宙医学専門医)をはじめとする各分野の専門家で構成される、医学運用チームが行っています。
宇宙飛行士たちに人気の高い、宇宙日本食と生鮮食品
宇宙という特殊な環境で重要ミッションを行う宇宙飛行士にとって、「食事」は、肉体的・精神的な健康を維持するために大変重要です。宇宙滞在中の食事の摂取量や栄養バランスが適切でないと、ミッション遂行の妨げとなる恐れがあります。
宇宙飛行士の健康を維持するために、長期保存可能であること、輸送に耐えられることなどの要求項目を満たした宇宙日本⾷と生鮮食品(果物および野菜)を国際宇宙ステーション(ISS)に輸送しています。
過酷な無重力環境に対応する宇宙の生活用品
宇宙で滞在する際には地上と同じように、衣類(被服)、歯ブラシ、文房具など、多くの生活用品が必要となります。
JAXAでは、将来の有人探査ミッションも見据え、宇宙飛行士の支援および任務を確実に遂行するため、宇宙滞在用の生活用品に関する新しいアイデアや宇宙生活の中での困りごとへの解決策を、多くの民間企業などの皆様から募り、新たなビジネスとして役立てていただけれる取り組みを行っています。
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