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2025.01.23
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第30回アジア・太平洋地域宇宙機関会議(APRSAF)での宇宙フロンティア分科会(SFWG)の開催報告

  • きぼうアジア利用推進室(KUOA)
  • 「きぼう」利用のご案内
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20241125~29日にオーストラリアのパースにて第30回アジア・太平洋地域宇宙機関会議(APRSAF-30)が開催されました。1125日(月)はKibo-ABCワークショップ、1126日(火)から27日(水)2日間は宇宙フロンティア分科会、1128日(木)から29日(金)の2日間は本会合が開催され、36の国・地域等から560名が参加しました。

宇宙フロンティア分科会

1126日と27日の日程でオーストラリア宇宙庁(ASA)宇宙科学とイノベーション部門長のAlessandra Monerris Belda博士と JAXA宇宙環境利用推進センター長の白川正輝が議長を務め、宇宙フロンティア分科会(以下、SFWG)が開催されました。オンライン参加者を含め、15か国・地域の37機関から82名が参加しました。

図1. SFWG出席者による集合写真
SFWGは、宇宙科学実験だけでなく将来宇宙探査に向けた「きぼう」日本実験棟(以下「きぼう」)の利用の機会および、アジア・太平洋地域における宇宙環境利用の可能性について議論し、さらなる宇宙活動の発展を目指して活動しています。
今年もKibo-ABCイニシアチブの「きぼう」を利用したSTEM教育プログラムや「きぼう」の船内・船外利用、そして国際宇宙探査について多くの機関から発表がありました。また、今回はスペシャルゲストとしてKibo-ABCのプログラムである第4回Kibo-RPCとアジアントライゼロG 2023を軌道上で担当した古川聡JAXA宇宙飛行士も参加し、軌道上での映像を交えて講演いただきました。
図2. 古川宇宙飛行士によるミッション報告
宇宙科学技術活動として、10か国・地域(オーストラリア、バングラデシュ、インドネシア、日本、マレーシア、フィリピン、シンガポール、台湾、タイ、UAE)から報告が行われ、各国・地域から小型衛星の打ち上げ・運用・利用に関する報告、将来の宇宙探査に向けた計画、開催した宇宙に関する会議やイベント、「きぼう」を利用した活動などが紹介されました。

「きぼう」船内利用活動セッション

オーストラリアのシドニーで2023年12月5日に開催された「きぼう」利用ワークショップについてオーストラリア宇宙庁から報告がありました。JAXAからは、高品質タンパク質結晶生成(PCG)実験や静電浮遊炉(ELF)実験についての紹介がありました。特にELFはトルコやアメリカといった様々な国の研究者・民間企業で使用されていると報告がありました。

「きぼう」船外利用セッション

「きぼう」の小型衛星放出機構(J-SSOD)を利用したCubeSat放出フレームワークとして、UNOOSAによるKiboCUBEおよびUNISECによるJ-CUBEの取り組みが紹介されました。そして実例としてオーストラリアのカーティン大学が開発した超小型衛星Binar-234の開発やJ-SSODを利用した「きぼう」からの超小型衛星放出について報告がありました。この他、JAXAから「きぼう」船外実験プラットフォーム利用についての紹介がありました。

月・火星探査に向けた技術実証の場としてのISS利用のセッション

異なる重力環境下での実験で得た、地上の人体の健康サポートや将来の宇宙探査時における人体への影響についてJAXAとタイの研究者からから報告が行われました。また、Kibo-ABCワークショップで話し合われた新しいプロジェクトについても紹介されました。この他に台湾宇宙庁(TASA)からは月面探査に向けた月面ローバーや着陸機を載せる予定のペイロードの開発状況、学生団体の宇宙次世代諮問委員会(SGAC)フィリピンからは学生向けに実施したStudents for the Exploration and Development of Space (SEDS)プログラム、オーストラリア連邦科学産業研究機構(CSIRO)からはNASAの開発したAstrobeeを使用した多分解能スキャナの実証について紹介がありました。

国際宇宙探査セッション

新たな試みであるJAXA、国際宇宙探査協働グループ(ISECG)、マレーシア宇宙庁MYSA)、タイ地理情報・宇宙技術開発機構(GISTDA)、インド宇宙研究機関(ISRO)の代表者による各組織の取り組み紹介や、 ISECGの最新版Global Exploration Roadmapをアジア諸国に紹介、国際的な探査活動の最新情報を共有されました。ラウンドテーブルディスカッションが開催され、アジア・太平洋地域が国際宇宙探査にどのように参入すべきかについて、活発な議論と有意義な意見交換がなされました。

図3. SFWG会議の様子
SFWGの結果は、以下の資料により、APRSAF-30の本会議で報告されました。

SFWG情報

日時 2024年11月26日、27日 9:00~16:00 (Australian Western Standard Time, UTC+8)
Agenda SFWGアジェンダ
参加国・地域数 15か国・地域、37機関
参加人数 82名(オンラインでの参加者含む)

※特に断りのない限り、画像クレジットは©JAXA