- お知らせ
第30回アジア・太平洋地域宇宙機関会議(APRSAF)での宇宙フロンティア分科会(SFWG)の開催報告
- きぼうアジア利用推進室(KUOA)
- 「きぼう」利用のご案内
2024年11月25~29日にオーストラリアのパースにて第30回アジア・太平洋地域宇宙機関会議(APRSAF-30)が開催されました。11月25日(月)はKibo-ABCワークショップ、11月26日(火)から27日(水)の2日間は宇宙フロンティア分科会、11月28日(木)から29日(金)の2日間は本会合が開催され、36の国・地域等から560名が参加しました。
宇宙フロンティア分科会
11月26日と27日の日程でオーストラリア宇宙庁(ASA)宇宙科学とイノベーション部門長のAlessandra Monerris Belda博士と JAXA宇宙環境利用推進センター長の白川正輝が議長を務め、宇宙フロンティア分科会(以下、SFWG)が開催されました。オンライン参加者を含め、15か国・地域の37機関から82名が参加しました。
今年もKibo-ABCイニシアチブの「きぼう」を利用したSTEM教育プログラムや「きぼう」の船内・船外利用、そして国際宇宙探査について多くの機関から発表がありました。また、今回はスペシャルゲストとしてKibo-ABCのプログラムである第4回Kibo-RPCとアジアントライゼロG 2023を軌道上で担当した古川聡JAXA宇宙飛行士も参加し、軌道上での映像を交えて講演いただきました。
「きぼう」船内利用活動セッション
「きぼう」船外利用セッション
「きぼう」の小型衛星放出機構(J-SSOD)を利用したCubeSat放出フレームワークとして、UNOOSAによるKiboCUBEおよびUNISECによるJ-CUBEの取り組みが紹介されました。そして実例としてオーストラリアのカーティン大学が開発した超小型衛星Binar-2、3、4の開発やJ-SSODを利用した「きぼう」からの超小型衛星放出について報告がありました。この他、JAXAから「きぼう」船外実験プラットフォーム利用についての紹介がありました。
月・火星探査に向けた技術実証の場としてのISS利用のセッション
異なる重力環境下での実験で得た、地上の人体の健康サポートや将来の宇宙探査時における人体への影響についてJAXAとタイの研究者からから報告が行われました。また、Kibo-ABCワークショップで話し合われた新しいプロジェクトについても紹介されました。この他に台湾宇宙庁(TASA)からは月面探査に向けた月面ローバーや着陸機を載せる予定のペイロードの開発状況、学生団体の宇宙次世代諮問委員会(SGAC)フィリピンからは学生向けに実施したStudents for the Exploration and Development of Space (SEDS)プログラム、オーストラリア連邦科学産業研究機構(CSIRO)からはNASAの開発したAstrobeeを使用した多分解能スキャナの実証について紹介がありました。
国際宇宙探査セッション
新たな試みであるJAXA、国際宇宙探査協働グループ(ISECG)、マレーシア宇宙庁(MYSA)、タイ地理情報・宇宙技術開発機構(GISTDA)、インド宇宙研究機関(ISRO)の代表者による各組織の取り組み紹介や、 ISECGの最新版Global Exploration Roadmapをアジア諸国に紹介、国際的な探査活動の最新情報を共有されました。ラウンドテーブルディスカッションが開催され、アジア・太平洋地域が国際宇宙探査にどのように参入すべきかについて、活発な議論と有意義な意見交換がなされました。
SFWG情報
日時 | 2024年11月26日、27日 9:00~16:00 (Australian Western Standard Time, UTC+8) |
Agenda | SFWGアジェンダ |
参加国・地域数 | 15か国・地域、37機関 |
参加人数 | 82名(オンラインでの参加者含む) |
※特に断りのない限り、画像クレジットは©JAXA