2021年5月26日、NASAのAstrobeeチームと共同で、「きぼう」船内に設置されるAstrobeeを実際に使用して、第2回「きぼう」ロボットプログラミング競技会(Kibo-RPC)のゲームシナリオに基づくAstrobeeの飛行動作・挙動を確認するデモンストレーションと、Astrobeeに対して地上からコマンドを送信する操作手順や競技会本番で使用する撮影カメラの機器セッティングの妥当性など、競技会実施にかかわる技術的な確認のためのテクニカルリハーサルを実施しました。
今回のテクニカルリハーサルは、軌道上で星出彰彦宇宙飛行士も参加して行われました。
テクニカルリハーサルでは、最初に、軌道上で必要な準備作業として、決勝大会でも使用する各種物品の設置作業や、Astrobeeが飛行する様子を地上で確認するためのカメラの設置作業を星出飛行士が実施しました。星出飛行士からの準備完了連絡の後、NASAからAstrobeeのプログラム実行開始コマンドを送信すると、軌道上のAstrobeeは定位置のドッキングステーションからアンドック(出発)してデモンストレーション飛行を開始しました。Astrobeeは非常にスムーズな動きで各ポイントへと移動し、QRコードやARタグの読み取りを成功させ、レーザーポインタをターゲットに照射しました。プログラム動作の最後には、Astrobeeが星出飛行士のもとに移動し、ミッションの完了を音声で報告する動作も確認しました。今回のテクニカルリハーサルでは2回のプログラム実行によるAstorbeeの飛行動作・挙動の確認を行いましたが、どちらも安定した飛行を行い、第2回競技会のゲームシナリオに基づいてAstrobeeが問題なく動作することを確認しました。
またあわせて、競技会本番に向けた改善点もいくつか識別することができました。「きぼう」船内でのAstrobeeを使用する競技会の実施(軌道上運用)は、JAXAの運用担当者だけではなく、NASAの運用担当者との連携が重要となります。これらに関し、今回識別された改善点を向上させ、第2回Kibo-RPCに参加する学生の皆様にとって、よりよい大会にできるようにJAXAとNASAで協力して準備を進めていきます。
※特に断りのない限り、画像クレジットは©JAXA