古川宇宙飛行士が、国際宇宙ステーションでの滞在を開始してから、早2か月。今月は、宇宙好き大学生とのリアルタイム交信イベントや、「きぼう」ロボットプログラミング競技会決勝大会などのイベントがありました。また、大西宇宙飛行士の訓練や、向井宇宙飛行士の栄誉ある受賞の話題も公開しています。
それでは、今月も有人宇宙活動に関するさまざまなニュースをお届けいたします!
New Topics
- 古川宇宙飛行士の軌道上活動をレポートVol.3、Vol.4を公開
- Zoomウェビナー参加者募集!古川宇宙飛行士、JAXAの技術者が登壇
- 宇宙好き大学生と古川宇宙飛行士がリアルタイムで交信
- 第4回「きぼう」ロボットプログラミング競技会の優勝チームが決定
- 大西宇宙飛行士のPANGAEA訓練の様子をご紹介
- 哺乳類の初期発生における重力の影響を調べる実験成果
- 向井千秋宇宙飛行士がIAA フォン・カルマン賞を受賞
- 「きぼう」での燃焼研究プラットフォーム実現に向けて
- 「きぼう」自動実験システムに関する情報提供要請(RFI)
【1】JAXA Humans in Space News
ISSで古川宇宙飛行士が取り組んだ活動内容をレポート
ISS長期滞在ミッションに就き、約2ヶ月が経過した古川宇宙飛行士。今月は、ソユーズ宇宙船(69S)の離脱に伴って、運用期間の単位であるインクリメントが切り替わり、インクリメント70という新たな運用期間が始まりました。古川宇宙飛行士は、JEM船内可搬型ビデオカメラシステム実証2号機(Internal Ball Camera2: Int-Ball2)のチェックアウト作業などを行っています。
古川宇宙飛行士ISS長期滞在ミッション概論 ~ ISS宇宙実験のリアル ~
今後の国際宇宙探査に向けて、ISSでの技術獲得に取り組む古川宇宙飛行士。その古川宇宙飛行士を含む5人のJAXAの技術者が、軌道上でのミッションに関する講義を行います。Zoomウェビナーによるオンライン形式ですので、高校生~大学2年生を主な対象としますが、どなたでもご参加可能。各登壇者に向けた事前の質問、ライブでの質問もお受けします。 ISSから古川宇宙飛行士が出題するクイズや解説もお楽しみに。
ISS滞在中の古川宇宙飛行士と宇宙好き大学生がリアルタイム交信!
ISSと地上をリアルタイムで結ぶイベントが開催され、宇宙への高い関心を持つ大学生4名が、古川宇宙飛行士と交信しました。大学生の皆さんは、「きぼう」日本実験棟で行われているミッションのうち、自身が特に注目している「推しミッション」についてプレゼン。古川宇宙飛行士に向けて宇宙への熱い思いを伝えました。このイベントの様子は、JAXAの公式YouTubeチャンネルのアーカイブでご覧いただけます。
第4回Kibo-RPC軌道上決勝大会開催!ついに、421チームの頂点が決定!
過去最多の421チーム、1685人にのぼる参加応募があった第4回「きぼう」ロボットプログラミング競技会(Kibo-RPC)。各参加国・地域の代表に選出された10チームが軌道上決勝大会に臨みました。それぞれの戦略と技術力を競い合った結果、栄冠を手にしたのは台湾代表の「Flying Unicorns」。優勝おめでとうございます!大会の様子は、JAXAの公式YouTubeチャンネルのアーカイブでご覧いただけます。
4th Kibo Robot Programming Challenge (Kibo-RPC), Final Round 軌道上決勝大会
大西卓哉宇宙飛行士が参加!19日間にわたるPANGAEA訓練とは?
大西宇宙飛行士が、ESAが実施するPANGAEA(Planetary ANalogue Geological and Astrobiological Exercise for Astronauts)訓練に参加しました。この訓練の目的は、月や火星への惑星探査ミッションで必要な地質学の知識と実践的なスキルを身につけることですが、そのために、どんな場所で何を行ったのか…?訓練への参加を機にSNSを再開した大西宇宙飛行士の実際のSNS投稿を交えながら、詳しくご紹介しています。
哺乳類の初期発生における重力の影響を調べる実験成果
山梨大学発生工学研究センター、JAXA、日本宇宙フォーラム、理化学研究所バイオリソース研究センター、明治大学農学部などからなる研究グループは、凍結したマウス2細胞期胚(受精後、1回細胞分裂をして細胞が2つになった状態の胚)をISSへ打ち上げ、微小重力下で解凍・培養しました。その結果、マウス2細胞期胚は微小重力でも胚盤胞期まで発生できることが明らかとなりました。
日本人として4人目の受賞! IAA最高のフォン・カルマン賞
国際宇宙航行アカデミー(IAA)が表彰するフォン・カルマン賞の受賞者に、向井千秋宇宙飛行士が選出されました。この賞は、宇宙科学分野で最も権威のある賞とされており、宇宙環境を利用した科学研究の促進、国連における世界の宇宙活動の平和的・持続的な発展への貢献、及び大学教育におけるリーダーシップなど、向井宇宙飛行士の長年の業績が評価されました。
第61回燃焼シンポジウム@秋田市にてワークショップを開催
秋田アトリオンで開催される第61回燃焼シンポジウムにおいて、「きぼう」での材料燃焼実験や、その際に用いられる固体燃焼実験装置(SCEM)についてご紹介するワークショップを11月17日に行います。参加者の皆様との質疑を通じ、実験機器に期待する機能などについてご意見・ご要望を収集させていただき、プラットフォーム構想の策定に反映していきたいと考えています。
また、展示ブースでも11月15日からのシンポジウム期間中、「きぼう」でのSCEMによる燃焼実験について紹介していますのでお立ち寄りください。(燃焼シンポジウムへの登録は有料となります)
「きぼう」自動実験システム構築に向けた情報提供要請(RFI)について
JAXAは、「小動物飼育ミッションにおける操作」を主テーマとし、発展の著しい遠隔化・自動化・自律化技術を活用することで、効率的・効果的な宇宙実験・利用の機会構築を目指しています。そのために検討を行っているのが、「きぼう」自動実験システム(GEMPAK)です。このシステムに関して、11月10日17:00を期限に、情報提供要請(RFI)を行っています。システム開発に対する情報提供だけでなく、多様な利用やポストISSを見据えた発展要素の情報提供も募集対象です。
【2】JAXA宇宙飛行士最新情報
注目された発信
古川宇宙飛行士が、宇宙から見えた北海道を「地図で見る通りの形に見えます」と写真と共にポスト。自身が大学生の時に行った2度の北海道旅行のことを思い出して、とても懐かしい気分になったようです。
ヒューストンに滞在中の油井宇宙飛行士が「今日は天気も良く真昼なのに夕方の様です。何故でしょう?」と、クイズ形式でポスト。ヒントは、一緒に投稿された写真のようですが…。さて、皆さんはお分かりですか?
【3】メディア・イベント情報
イベント情報
イベント・セミナー情報は以下をご覧ください。
【4】ギャラリーの注目情報
今月の注目カテゴリ:古川宇宙飛行士
【5】Enjoy Space Experience
このページでは有人宇宙技術部門がおすすめするコンテンツのご紹介をしています。ぜひご覧ください。
今月の「JAXA Humans in Space News」いかがでしたか?次回の発行は2023年11月末頃を予定しています。
※本文中の日時は全て日本時間です
発行者:国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構 有人宇宙技術部門
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