世界初の宇宙での発光イメージング解析を目指す
宇宙で起こっている生体内の遺伝子機能の変化を地上から観察できないか?
そんな願いをかなえる発光イメージング解析装置が、2021年6月に国際宇宙ステーション(ISS)に打ち上げられました。細胞や組織などを可視化できるこの遺伝子機能発光イメージング装置(TELLAS)を使うと、発光タンパクの発現量を指標にして経時的に遺伝子機能をモニタリングすることが可能になります。
TELLASを利用することで、軌道上で撮影したイメージングデータを地上で取得することができます。これにより研究者は、ISS上で実験対象とされるバイオ試料(細胞や組織など)に発現する遺伝子が、「いつ、どの程度機能しているか?」などの帰還後のサンプルでは得られない情報を取得できるようになります。現在、地上ではすでにバイオイメージング技術を活用して創薬研究などが進められていますが、ISSでTELLASの利用が実現すると、宇宙での発光イメージング解析は初めての試みとなります。
装置スペック
TELLASの主な仕様
項目 | 仕様 |
イメージング方式 | 2Dイメージングのみ (フィルターシステムを活用した検出波長の分離は不可) |
撮影(イメージングモード) | 発光のみ(蛍光、X線、CTは不可) |
CCDカメラ/ イメージングソフトウェア |
IVIS機材と同一の仕様 |
撮像視野範囲(FOV) | 撮像視野は100 x 100 mm (実測値 107 x 107 mm)で固定。 モデル例)マウスの場合、同時に2匹の撮影が可能。 |
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