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Multi-Purpose Experiment Platform: MPEP親アーム先端取付型実験アダプタ(MPEP)
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実験アダプタ外観
実験アダプタ外観(モデリング)

親アーム先端取付型実験アダプタ(MPEP)の概要

親アーム先端取付型実験アダプタ(Multi-Purpose Experiment Platform:MPEP)は、83cm×105cm×40cm(最長部)の大きさのトレイで、複数の実験装置を搭載することができます(合計100kgまで)。船外実験や宇宙用機器の実証機会を提供します。

ロボットアーム操作により指向方向を任意に設定できることを利用して、WLAN伝送軌道上実証ミッションでのWAP/CAMユニットや JEM IR Camera、簡易曝露実験装置(ExHAM)を用いた船外曝露実験、小型衛星放出機構(JEM Small Satellite Orbital Deployer: J-SSOD, NanoRacks CubeSat Deployer: NRSCD)などの運用に貢献しています。

実験アダプタの運用の様子

性能諸元

横スクロールしてお読みください。
項目 設計仕様
電力 120V電力系 #1(実験装置電力)120Vdc (定格)、最大520W
#2 (ヒータ電力)120Vdc (定格)、最大69W
#3 (子アーム電力1)120Vdc (定格)、#3と#4の合計で最大520W
#4 (子アーム電力2)120Vdc (定格)、#3と#4の合計で最大520W
28V電力系 (子アームカメラ電力)28Vdc(定格)、最大26W
通信 制御系 MIL-STD-1553B
映像伝送系 RS-170A/NTSC, 1ch, データ伝送系と排他利用
データ伝送系 10Base-T/100Base-TX, 1ch, 映像伝送系と排他利用
許容熱伝導 断熱インターフェース 5W以内
断熱インターフェース以外 要調整
剛性 一次モード 30Hz 以上
二次モード 60Hz 以上

WAP/CAMユニット

WAP/CAMユニット

WAP/CAMユニットは、Wi-Fi Access Point(WAP)と可視光カメラの両方が搭載された機器で、MPEP先端に搭載されます。MPEPに同時搭載される機器への有線LANポートやHDMI入力ポートの提供もできます。民生品を多用することで、開発コストを抑え、開発期間を短縮しつつ、高い機能性を有している点が特長です。可視光カメラは、ハイビジョン(1280x720)動画の撮影が可能で、ズーム(最大20倍)/焦点距離変更機能も搭載されています。

2020年5月には、接近中の「こうのとり」9号機から無線伝送されるカメラ映像を受信し、「きぼう」ロボットアームを経由して、ISS内のラップトップ上へ表示させることに成功しました。同時に、可視光カメラで「こうのとり」9号機や「きぼう」鋼体、「きぼう」船外実験装置のハイビジョン映像を撮影し、リアルタイムで地上へ映像伝送しました。

ISSに接近中の「こうのとり」9号機
ISS他国モジュールと地球
「きぼう」船外プラットフォーム
「きぼう」船内実験室

JEM IR Camera

JEM IRカメラは、親アーム先端取付型実験プラットフォーム(MPEP)上に搭載された、民生品を応用した遠赤外線カメラ(波長8μm~14μm)で、「きぼう」ロボットアームで把持して遠隔操作することで、高自由度の遠赤外撮影が可能です。可視光カメラと異なり、夜間でも撮影可能であることが特長です。

2020年5月には、「きぼう」日本実験棟や「こうのとり」9号機(HTV9)の撮影に成功しました。今後、本カメラの特徴を生かした、夜間ドッキングセンサーや非接触温度計としての更なる応用研究が期待されています。

JEM IR Camera 外観
「こうのとり」9号機 JEM IR Camera撮影画像
「きぼう」与圧部 JEM IR Camera撮影画像
地球上の川 JEM IR Camera撮影画像

※特に断りのない限り、画像クレジットは©JAXA