10月26日、H3ロケットによる新型宇宙ステーション補給機1号機(HTV-X1)の打上げが行われました。軌道投入後、HTV-X1はランデブー飛行で順調に国際宇宙ステーション(ISS)に接近。近傍フェーズでの最終接近を経て、油井亀美也宇宙飛行士がロボットアームで把持し、ISSへのドッキングも無事成功しました。
それでは、今月も有人宇宙活動に関するさまざまなニュースをお届けいたします。
New Topics
- 「こうのとり」の後継機、HTV-X1がISSに到着!
- HTV-X1に込めた思いをまとめたプロジェクトコラム公開
- 油井宇宙飛行士のISSでの活動の様子をレポート
- 日本に帰国した大西宇宙飛行士が記者会見を実施
- 大西宇宙飛行士が綴った体験記 「宇宙からの帰還」 公開
- [開催予告] 大西宇宙飛行士ミッション報告会
- 諏訪宇宙飛行士がイタリアでCAVES訓練に参加
- 「きぼう」から超小型衛星3機の放出に成功
- 宇宙実験ロボティクス実証設備(TUSK)のご紹介
【1】JAXA Humans in Space News
新型宇宙ステーション補給機1号機(HTV-X1)がついにデビュー!
宇宙ステーション補給機「こうのとり」の後継機として開発が進められてきた「HTV-X」の1号機の打上げが10月26日に実施され無事成功。ISSで、その到着を待っていた油井宇宙飛行士がロボットアームで把持し、ISSとの結合作業も完了しました。ISSへ物資を運ぶ往路のミッションは完遂しましたが、係留期間を終えISSを離脱したら、新たな技術実証ミッションが待っています。今後もHTV-X1への応援を宜しくお願いします!
HTV-Xプロジェクトコラム「HTV-Xに込めた思い」を公開
いよいよ運用が始まったHTV-Xですが、ここに至るまでには、JAXAだけでなく、さまざまな民間企業の協力、たくさんの人の努力の積み重ねがありました。プロジェクトに関わった人たちのHTV-Xに対する思いをまとめましたので、ぜひご覧ください!
油井宇宙飛行士の軌道上活動レポート [ Vol.4~5更新 ]
▼Vol.4 (9/15~9/28)
Plant Cell Divisionの実験や、超小型衛星放出の準備や片付け作業など、ミッションは順調に進行。その傍ら、日本付近ではこの時期の気象特性でもある台風の発生が相次ぎました。油井宇宙飛行士は宇宙から撮影した台風の写真を自身のXに投稿し、台風の進路にあたる方達を案じました。
油井宇宙飛行士 軌道上活動レポート Vol.4(9/15〜9/28)
▼Vol.5 (9/29~10/12)
ELFの機器メンテナンスやFLARE実験、超小型衛星放出の準備など、多岐にわたるミッションを実施。その中には、HTV-X1の到着に備えた物品整理、近傍通信システムの動作確認も含まれました。なお、油井宇宙飛行士はロボットアームでHTV-X1を把持する担当者に任命されています。
帰還後のリハビリを終えた大西宇宙飛行士が帰国記者会見を実施
約5ヶ月間のISS長期滞在ミッションを終え、8月9日(アメリカ時間)に地球に帰還した大西卓哉宇宙飛行士。ヒューストンでの45日間のリハビリを経て日本へ一時帰国し、記者会見を行いました。大西宇宙飛行士は、自身が軌道上で行った活動成果を、映像を交えながら説明した他、記者からの質問にも回答。ISSでの経験やその感想、これからの展望についても語りました。
大西宇宙飛行士が綴った「宇宙からの帰還」を総まとめ
大西宇宙飛行士が自身の言葉で綴った「宇宙からの帰還」の体験記。Instagramで5回に分けて発信していた内容を全部まとめたページを公開しました。実際に体験した本人だからこそできる状況描写や、その時に感じたことがリアルに表現されていて、まるでSF小説のよう、ぜひ読んでみてください!
11月14日に大西宇宙飛行士のミッション報告会を開催します!
大西宇宙飛行士の帰国のタイミングに合わせ、11月14日(金)に帝京平成大学 池袋キャンパス 冲永記念ホールにてミッション報告会を開催します。オンライン配信もありますが宇宙飛行士に質問できる現地参加がおすすめです。事前のお申し込み(先着順)が必要ですので、ぜひご応募ください。ご来場お待ちしています。
欧州宇宙機関(ESA)実施のCAVES訓練に諏訪宇宙飛行士が参加
諏訪理宇宙飛行士が、欧州、米国、UAEの3名の宇宙飛行士と共にCAVES訓練に参加しました。この訓練は、洞窟という極限・閉鎖・隔離環境を利用して行われ、宇宙での長期滞在に必要な能力の向上を目指します。事前訓練、洞窟内探査訓練、事後訓練の3フェーズで構成されますが、一番のハイライトは洞窟内探査訓練。太陽の光が届かない環境に4日間連続滞し、仲間と共にミッションを行いました。諏訪宇宙飛行士本人による体験談は必読です!
「きぼう」から超小型衛星3機の放出に成功!
10月10日に、「きぼう」日本実験棟が有するJ-SSOD(小型衛星放出機構)を利用して、「YOTSUBA-KULOVER」「e-kagaku-1」「BOTAN」という3機の超小型衛星が放出されました。この放出の様子は、JAXAのYouTubeチャンネルにアップしているアーカイブ映像でご覧いただけます。
宇宙飛行士の負担を減らし、宇宙実験の安全性と効率化を図る装置
これまで宇宙飛行士が行ってきた作業や、人の手では難しい精密な操作を自律的に実行するための、宇宙実験ロボティクス実証設備TUSKが「きぼう」日本実験棟に設置されます。この設備では、利用者が地上で独自に作成した動作プログラムを軌道上で実行し、微小重力環境下での技術実証や新しい実験に取り組むことができます。
【2】JAXA宇宙飛行士最新情報
注目された発信
油井宇宙飛行士が、自身の顔写真がプリントされた華やかなデコレーションケーキの写真を投稿。宇宙滞在期間が前回のミッションと合わせて間もなく200日になることを祝って、地上の仲間たちが準備してくれたことを報告しました。油井宇宙飛行士には内緒のサプライズだったそうで、とても感激したそうです。
【3】メディア・イベント情報
イベント情報
イベント・セミナー情報は以下をご覧ください。
【4】ギャラリーの注目情報
今月の注目カテゴリ:油井宇宙飛行士
【5】Enjoy Space Experience
このページでは有人宇宙技術部門がおすすめするコンテンツのご紹介をしています。ぜひご覧ください。
今月の「JAXA Humans in Space News」いかがでしたか?次回の発行は2025年11月末頃を予定しています。
※本文中の日時は全て日本時間です
発行者:国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構 有人宇宙技術部門
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