1. ホーム
  2. 企業・研究機関の皆様へ
  3. 宇宙医学
  4. 宇宙飛行士の健康管理運用
  5. 宇宙での生活用品
  6. HIDAMARI®SPACE DRY-WEAR(ヒダマリスペースドライウエア)

国際宇宙ステーション(ISS)搭載可となった新規生活用品HIDAMARI®SPACE DRY-WEAR(ヒダマリスペースドライウエア)

Space Medicine
Share
国際宇宙ステーション(ISS)内は常に快適な室温に温度制御されているため、薄手の鹿の子織り二重構造編地を採用。運動時の汗を肌側から外側へ吸い上げる製品のため、不快な汗問題に向けて薄手の編地にしました。編地の表面には、銀イオンを保持したアクリル原綿と綿を混紡することで抗菌性能をもたせた糸「金魚Ag®」を使用しています。宇宙滞在時の臭い問題も解決を目指します。
製造元 健繊株式会社
使用方法 宇宙飛行士のISS船内着として着用
大きさ Tシャツ(Lサイズ):前身ごろ69cm/身幅57.5cm
ハーフパンツ(Lサイズ):身丈49cm/ウエスト34cm/ヒップ54cm
重量 Tシャツ(Lサイズ):230g
ハーフパンツ(Lサイズ):250g
HIDAMARI®SPACE DRY-WEAR(ヒダマリスペースドライウエア)

JAXA生活用品担当が、本製品を開発いただいた企業にお話を聞きました。

Q:どんな課題に着目しましたか?

ISS内では宇宙飛行士の筋力低下を防ぐためにもほぼ毎日運動が計画されています。その際、地上であれば流れる汗が、宇宙では汗が流れず、肌にまとわりつくことでとても不快になり、毎度タオルで汗を拭き取らなければいけないことを知り、「ひだまり®」の機能で解決したいと考えました。

Q:課題に対する解決策は?(製品の機能)

「ひだまり®」は肌側と外側であえて素材を変えた製品を製造しております。肌側には保水しないダンロン®(ポリ塩化ビニル)、外側には濡れやすいアクリルウールや綿を使用。汗を肌側から外側に吸い上げるという当社独自の技術を基に制作しております。

Q:地上へのどんな課題解決・ビジネスチャンス等に繋がりますか?

地上においても汗の処理には夏場の不快な汗、冬場の汗冷えなどあり、地上生活・宇宙生活双方でも共通の課題となっており、当社製品で軽減できると考えております。

Q:このプロジェクト申し込みの背景・気づきは?

「地球で一番高いエベレストを制したひだまり®が、今度は大気圏を破り宇宙へ」という強い想いからエントリーさせていただきました。

Q:宇宙での生活用品への挑戦にあたり良かったことは?

宇宙という未知の場所で「ひだまり®」が通用するのか、ISS搭載に関する安全性・適合性の厳しい検査を無事通過できるのかとても不安でした。しかし、今回のチャレンジが成功できたことで視野が大きく広がりました。

Q:宇宙での生活用品への挑戦にあたり苦労したことは?

「第1回宇宙生活/地上生活に共通する課題テーマ・解決策のアイデア募集」にエントリーしましたが、「ISS搭載候補品としては非選定」と評価を受けました。その後、今回の「第2回宇宙生活/地上生活に共通する課題テーマ・解決策のアイデア募集」にて「ISS搭載可」と評価を受けるまで、何が足りなかったのか、どのような機能なら宇宙に行けるのか、答えを見つけるまで大変苦労致しました。

※特に断りのない限り、画像クレジットは©JAXA