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国際宇宙ステーション(ISS)搭載可となった新規生活用品アストロソックス

Space Medicine
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宇宙生活をより快適にする宇宙用靴下。
国際宇宙ステーション(ISS)での船内作業に適するよう、足の甲側・裏側の両面にシリコンプリントし、船内に設置されているバーに足を引っかけやすくなりました。まるで4本の手で、身体を固定しつつ、ISS船内作業ができるようになることが期待されます。
※「アストロソックス」は株式会社ワコールの登録商標です。
※製品の説明は製造企業のコメントをもとに記載しています。
製造元 株式会社ワコール 人間科学研究開発センター
使用方法 船内活動の作業時などで靴下を履く。
大きさ 縦2.6cm×すね部分 横9.5cm×つま先部分 横9cm
重量 80g/足
アストロソックス

JAXA生活用品担当が、本製品を開発いただいた企業にお話を聞きました。

Q: どんな課題に着目しましたか?

「Space Life Story Book」の中で注目した宇宙飛行士からの課題は、手すりに足をひっかけて身体を固定することが大変であることや洗濯ができないこと、また足への衝撃の軽減などです。

Q: 課題に対する解決策は?(製品の機能)

足の表裏のシリコンプリントによりグリップが効くため、足や身体の動きを固定することができ、作業をサポートできると考えています。また洗濯ができないことによる匂いへの対策として、抗菌・消臭機能糸を使用しています。着用感、動きやすさを工夫することで足へのコントロールの意識が減り、身体がゆれにくくなり、手の作業への集中度が増し、毎日の任務・生活の質や効率へと繋がると考えています。

Q: 地上へのどんな課題解決・ビジネスチャンス等に繋がりますか?

この商品は地上で使うには目的が変わるため課題も多いが、微小重力環境での作業快適を考えた視点をもとに、地上活動での足の安定への商品開発として「TSLアクセレータープログラム」で検討する予定です。

Q: このプロジェクト申し込みの背景・気づきは?

宇宙と地上との双方の視点から課題に寄り添うことで、快適な生活用品の開発や新たな市場価値を生み出す可能性がある取り組みの1つです。微小重力環境でのからだの動きや使われ方の概念の変化や宇宙用靴下の進化、地上での応用・活用が見えると着目しています。

Q: 宇宙での生活用品への挑戦にあたり良かったことは?

実際に宇宙飛行士にアストロソックス®を国際宇宙ステーション(ISS)船内の活動時に着用して頂き実装できることです。

Q: 宇宙での生活用品への挑戦にあたり苦労したことは?

微小重力環境で開発品の確認をすることはできないので、何度も動画観察をしたり、宇宙飛行士達にニーズやアンケート、また開発段階の靴下を着用して頂き、情報を得えました。身体を固定するときの足の使い方や足のどこの部分を使っているか、着用時の伸びやグリップ力を維持しながらもシリコンプリントの形や位置を製造関連の方たちとも試行錯誤しながら開発したところです。

※特に断りのない限り、画像クレジットは©JAXA