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国際宇宙ステーション(ISS)搭載可となった新規生活用品ギャツビー スペースシャワーペーパー 頭皮用/ボディ用

Space Medicine
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汗やべたつきをしっかりと除去できるボディ用/頭皮用ペーパー。シャワーを浴びたようなさっぱり感と心地よい清涼感が特徴です。国際宇宙ステーション(ISS)でのミッションは緊張状態が続くので、地上生活での豊かな時間を想起する香りでリフレッシュできるよう設計されています。
※「ギャツビー/ GATSBY」は株式会社マンダムの登録商標です。
※製品の説明は製造企業のコメントをもとに記載しています。
製造元 株式会社マンダム
使用方法 シートで身体/頭皮を拭きとる。
大きさ 縦15cm×横10.5cm×厚さ1.3cm
重量 頭皮用:約140g ボディ用:約130g
ギャツビー スペースシャワーペーパー 頭皮用/ボディ用

JAXA生活用品担当が、本製品を開発いただいた企業にお話を聞きました。

Q: どんな課題に着目しましたか?

宇宙飛行士は全身の汗や皮脂を拭き取るには最適ではないウェットタオルを用いており、また既存の宇宙用シャンプーは洗い流す仕様ではないため、地上生活のシャワーやお風呂で感じるさっぱり感が得られないという課題がありました。

Q: 課題に対する解決策は?(製品の機能)

「エタノールを使えない」という宇宙生活での制限事項を想定し、肌の快・不快センサーTRPチャネルの研究成果を応用。エタノールフリーでも心地よい肌感覚が得られるKai-tech Zero G技術を用いて解決しました。また、シャワーで洗い流すような心地よさを感じられるよう、過去最高の中味液含浸量を設計(当社比)、そして地上での豊かな生活(Natural&Relax)を想起できる香りを設計しました。

Q: 地上へのどんな課題解決・ビジネスチャンス等に繋がりますか?

エタノールフリーでも心地よい使用感を実現できるので、肌の弱い赤ちゃんからお年寄りまで快適に使用できると思います。また法的規制や安全性、宗教上の理由等でエタノールを使用しない/できない国や地域、環境への展開が可能になる。

Q: このプロジェクト申し込みの背景・気づきは?

開発を担当したフロンティア開発研究室では「極限環境でチャレンジする人々のお困りごとは、人類が未来社会において抱えるであろう課題になる」と考え、「Close to the Edge」をキーワードに新しい価値の探索を進めています。宇宙という極限環境での「お困りごと」に応える商品の開発にチャレンジしました。

Q: 宇宙での生活用品への挑戦にあたり良かったことは?

①エタノールフリーと心地よい清涼感の両立は難易度が高かったが、新たな技術の創造に繋がったこと。②近未来の宇宙生活を想像し、普段の製品開発と違う視点でのアイデアや気づきが得られたこと。③今までにない評価方法を確立でき、ノウハウの蓄積に繋がったこと。

Q: 宇宙での生活用品への挑戦にあたり苦労したことは?

①宇宙基準で使用可能な成分の選定および処方の設計、②製品中のエタノール濃度を極限(0.00%※)まで低減すること、など
※製品中エタノール濃度49ppm以下

※特に断りのない限り、画像クレジットは©JAXA