インクリメント66

更新 2022年6月 2日

インクリメント66期間

2021年10月18日 ~ 2022年3月30日

インクリメント66キーメッセージ

「きぼう利用サービス」多様性、安定性、順応性の更なる向上
~プラットフォームの拡大とプラットフォームによる安定した研究成果の獲得、及び、有人宇宙探査に向けた着実な前進~

インクリメントマネージャ紹介

島村 宏之
インクリメント66マネージャ

Inc.66では、「きぼう」の利用計画を管理・検討するインクリメントマネジメントチーム、「きぼう」での実験・研究を担当する各ミッションチーム、そして、「きぼう」のリアルタイム運用を支える運用管制チームが強固に連携し、一体となって取り組むことにより、「きぼう」の利用成果を最大化できました。

Inc.66のキーメッセージにある、「きぼう利用サービス」の多様性の観点では、中型曝露実験アダプタ2(i-SEEP2)の運用を開始し、船外実験プラットフォームの拡大が実現しました。また、FLAREミッションは、装置のチェックアウトを計画よりも前倒しで再開し、世界をリードした実験成果の獲得、および、新たな実験プラットフォームの形成に向けて大きな一歩を踏み出しました。「きぼう利用サービス」の安定性については、KIBO宇宙放送局(Space Studio KIBO 2021-2)、ISS滞在中の前澤友作さんとの通信イベント、「きぼう」からの超小型衛星放出(J-SSOD#20、21)など、民間によるサービス事業に関連する全てのミッションを計画通りに完遂することができました。また、高品質タンパク質結晶生成実験、静電浮遊炉(ELF)、小動物飼育ミッションなどのプラットフォームを利用したミッションについても最大限に実施することができ、今後、多くの新しい研究成果が発表されることと思います。最後に、「きぼう利用サービス」の順応性についてですが、Inc.66では、機器の不具合などにより、実験スケジュールに後れをきたす可能性のある場面が何度もありました。その度に、各ミッションチームそして運用管制チームと綿密に情報共有し、迅速に打開策を検討、実行に移すことにより、多くのピンチを乗り越えることができました。その結果、上記で述べた通り、多くのミッションを計画通りに実施することができました。

以上により、Inc.66のキーメッセージである、「きぼう利用サービス」多様性、安定性、順応性の更なる向上、を達成できたと自負しております。これは、「きぼう」の利用・運用に携わる全ての関係者、そして、「きぼう」を応援して下さる全ての皆様の成果です。引き続き日本の有人宇宙開発に対するあたたかいご声援を、どうぞよろしくお願いいたします。

ISSを一言で言えば、「そら飛ぶ大きな実験室」です。ただし、ここでの「そら」は「宇宙(そら)」です。ISSでは、微小重力や高真空といった宇宙特有の環境を利用して、多くの研究・実験が行われています。

ISSにある日本の実験室、「きぼう」日本実験棟が完成しておよそ10年が経ちました。これまで「きぼう」では、微小重力を利用して高品質なタンパク質結晶や高純度の材料を作る実験、小動物の宇宙飼育を通じたヒトの健康長寿に関連する研究などを継続的に実施してきました。また、エアロックやロボットアームを利用した小型衛星の放出や、ISSの外側にある船外実験プラットフォームでの実験も数多く実施しています。このような「きぼう」での宇宙利用(きぼう利用サービス)をさらに拡大し、より安定的に提供したい、そして、機器の不具合などにより実験スケジュールに変更が生じた場合でも柔軟に対応し、各実験の成果を最大化させたい、という思いから、Inc.66のキーメッセージを、「きぼう利用サービス」多様性、安定性、順応性の更なる向上、と設定いたしました。

Inc.66で実施する利用ミッションの詳細は、以下の「利用ミッション(予定)」をご参照ください。中型曝露実験アダプタ2(i-SEEP2)が打上げられ、船外実験プラットフォームに取付けられると、船外利用の場が大きく拡大します。その他にも、小型衛星放出、高品質タンパク質実験、静電浮遊炉(ELF)を利用した材料実験、医学実験など、多くのミッションが予定されています。各ミッションの成果は、逐次、ホームページやTwitterで公開されると思いますので、ご期待ください!

Inc.66の特徴の一つに、多くの民間人がISSに滞在することが挙げられます。現時点では、合計6人の民間人がISSに向かう予定で、その中には、日本人の前澤友作さん、平野陽三さんがおられます。日本の民間人が宇宙へ行くのは、1990年12月に宇宙ステーション「ミール」に滞在した秋山豊寛さん(当時TBS記者)以来31年ぶり、そして、日本の民間人がISSに滞在するのは初となります。Inc.66は、ISSにおける民間の方々の活躍にもご注目下さい!

最後になりますが、私はInc.66のIMを担当すると同時に、「きぼう」運用管制チームの一員であるJ-FLIGHT(JAXA Flight Director)でもあります。このような立場を最大限に活用することで、ISS運用の最前線で奮闘する管制チームと強固に連携し、キーメッセージの実現に向けて頑張りますので、応援よろしくお願いします!

利用ミッション(実施)

超小型衛星放出プラットフォーム

船外ポート利用プラットフォーム

新薬設計支援プラットフォーム

健康長寿研究支援プラットフォーム

無容器処理技術を利⽤した材料研究への貢献(革新的材料研究⽀援プラットフォーム)

新プラットフォーム形成(将来有人活動の安全基盤確立に向けた宇宙火災研究(仮))

新プラットフォーム形成(民間利用の拡大)

  • お酒まろやかミッション【Spirits Maturation】
  • I-Space Essay
  • KIBO宇宙放送局【Space Studio KIBO 2021-2】
  • 商業クルーライブ交信【Kibo Commercial Crew Live Communication #1:KCCLC#1】

長期滞在・探査ミッション技術獲得

宇宙医学

科学研究促進(生命医科学)

科学研究促進(物質・物理科学)


  • 利用ミッションは、「きぼう利用戦略」の具体的取り組みの分類に基づいたマッピング(図1)を基に優先順位を定めています。
図1 インクリメント66利用ミッションの「きぼう利用戦略の具体的取り組み」マッピング

国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構
有人宇宙技術部門 きぼう利用センター
きぼう利用プロモーション室
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