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2024.08.02
  • 基礎訓練

基礎訓練レポート(2024年6月)

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低圧環境適応訓練

この訓練は、低圧環境や急減圧が人体に与える影響を体験するための訓練で筑波宇宙センターの低圧環境適応訓練設備で実施しました。宇宙飛行士が安全に飛行する上で、低圧環境下で起こる低酸素症の兆候を早期に自覚することや、急減圧で起こる環境の変化を体験しておくことが重要なため、宇宙飛行士は定期的にこの様な訓練を受けています。

設備内では徐々に空気を抜いていき、高度約7500mと同等の低圧環境を作り出すことで低酸素状態を発生させ、身体的変化の体験や思考能力の変化を調べるために簡単な計算問題を解いたりしました。

また、その他にも低酸素状態かつ暗い状況下での視力の変化や急減圧、緊急時の酸素吸入体験などを行いました。

低圧環境適応訓練を受ける諏訪・米田宇宙飛行士候補者

NASAロボットアーム訓練

2024年6月、米田・諏訪両宇宙飛行士候補者はNASAに二週間滞在し、「NASA GRT(Generic Robotics Training)」を受講しました。

本訓練は宇宙ロボティクスの基礎を学ぶ訓練で、2024年4月に受講した「基礎ロボティクス訓練 *」と地続きの訓練となっています。基礎ロボティクス訓練では「きぼう」ロボットアーム(JEM Remote Manipulator System: JEMRMS)を用いた訓練だったのに対し、NASA GRTではカナダが開発したJEMRMSより巨大なロボットアーム(Space Station Remote Manipulator System: SSRMS)を用いて訓練を実施するという違いがあります。座標系の考え方やロボットアームの操作方法など、JEMRMS/SSRMSで共通している部分もありますが、アームの関節数や使用用途、さらには作業スペースの違い(JEMRMSとは異なり、SSRMSはISS中を動き回り作業する場所を変えることができます)等、異なる点も数多くあります。米田・諏訪両宇宙飛行士候補者はこれらの違いに注意しながら訓練に取り組み、本訓練の目的である「SSRMS操作スキルの習得」を達成することができました。
* 基礎ロボティクス訓練の様子はこちら
SSRMSシミュレータ操作を行う諏訪・米田宇宙飛行士候補者

※特に断りのない限り、画像クレジットは©JAXA