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ISSの構成
ISS
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様々なモジュールの組み合わせで
宇宙に安全な活動の場を

宇宙飛行士が使用する主なスペースは、実験や研究を行うためのいわば仕事場となる「実験モジュール」と、それらをつなぐ「結合モジュール(ノード)」などです。モジュールの中は、宇宙服を着なくても生活ができるよう、地球の大気とほとんど同じ状態が保たれています。結合モジュールは、生活空間としても有効活用されています。また、ロシアのサービスモジュールは、生活の場所と実験室とを兼ね備えています。

その他に、電力を作り出す「太陽電池パドル」、船外での作業に活躍する「ロボットアーム」などがあります。

分離後にディスカバリー号から撮影されたISS
分離後にディスカバリー号から撮影されたISS ©JAXA/NASA

ISSの主な構成要素

ISSの主な構成要素
©NASA

宇宙空間のISSは、地上に置くとしたら、大きなサッカー場が必要なほどの大きさです。この巨大なISSには、宇宙飛行士が安全に、確実に仕事をするためのさまざまな機能や工夫が盛り込まれています。国際宇宙ステーション(ISS)は、国際パートナー各国がそれぞれに開発した要素(パーツ)で成り立っています。各要素の打上げには、米国のスペースシャトルやロシアのプロトンロケットなどが使用されました。物資補給には米国、ロシア、ESA(2015年に運用終了)、そして日本の宇宙ステーション補給機が重要な役割を果たしてきました。

宇宙飛行士が実験や研究を行う「実験モジュール」

クルーが撮影した「きぼう」日本実験棟船内実験室
クルーが撮影した「きぼう」日本実験棟船内実験室 ©JAXA/NASA

宇宙飛行士が実験や研究を行うところ。いろいろな装置が置かれている「仕事場」です。米国、日本、欧州がそれぞれに開発した3つの実験モジュールがあります。「きぼう」日本実験棟の船外実験プラットフォームのように、ISSでは船外でも実験を行うことができます。

また、ロシアの多目的実験モジュール「ナウカ」が、2021年に7月に結合しました。

「ナウカ」(ロシア 多目的実験モジュール)

JAXAデジタルアーカイブス

宇宙飛行士が日常生活を送る場所

宇宙飛行士が生活する場所は、主に4つあります。一つは、ロシアが開発した「ズヴェズダ」サービスモジュールで、寝室(個室)、トイレ、運動用の器具、調理設備など、が備えられており、ロシア人宇宙飛行士の居住の場となっています。 その他の各国の宇宙飛行士は、米国の結合モジュールを使用します。「ユニティ(第1接合部)」は食事で使用され、「ハーモニー」(第2結合部)は、睡眠などのための個室、「トランクウィリティー」(第3結合部)は、運動器具やトイレが備えられています。

普段は別々に取ることが多いですが、特別なイベントや休日には、クルー全員が集まって一か所で食事をすることもあります。

食事のため「ズヴェズダ」(ロシアのサービスモジュール)に集まる第48次長期滞在クルー
食事のため「ズヴェズダ」(ロシアのサービスモジュール)に集まる
第48次長期滞在クルー ©JAXA/NASA

モジュール同士をつなぐ「ノード(結合モジュール)」

ランデブ・ピッチ・マヌーバ(Rendezvous Pitch Maneuver: RPM)中にISSから撮影
されたディスカバリー号のペイロードベイ(貨物室)に搭載された「ハーモニー」
(第2結合部) ©NASA

モジュールとモジュールをつなぐ接続部。倉庫の役割をもつほか、寝室(個室)も設置されています。

常に太陽の方向を向く「太陽電池パドル」

私たちの暮らしでも活用されている太陽電池。宇宙でも太陽電池で電力を供給します。太陽電池パドルはつねに太陽の方向へ向くように自動で回転しています。

「きぼう」船内実験室の窓から見た、太陽電池パドル(SAW)と地球の様子
「きぼう」船内実験室の窓から見た、太陽電池パドル(SAW)と地球の様子 ©NASA

いろいろなシーンで活躍する「ロボットアーム」

ISSのロボットアーム(SSRMS)で把持された「こうのとり」6号機
ISSのロボットアーム(SSRMS)で把持された「こうのとり」6号機 ©JAXA/NASA

モジュールなどの大型パーツをISSに取り付けたりするときに活躍する“ロボットの腕”。カナダが開発した、ISSの中心にある構造体「トラス」の上を移動するISSのロボットアーム(Space Station Remote Manipulator System: SSRMS)や、人間の上半身のような形をした「デクスター」(特殊目的ロボットアーム)、また、「きぼう」日本実験棟で実験装置の交換作業などを行う、「きぼう」ロボットアームがあります。

※特に断りのない限り、画像クレジットは©JAXA