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2024.04.11
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「与圧ローバによる月面探査に関する文部科学省と米航空宇宙局の実施取決め」への署名

  • 国際宇宙探査の取り組み
  • 宇宙飛行士
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2024年4月10日(日本時間)、盛山正仁文部科学大臣とビル・ネルソンNASA長官との間で、「与圧ローバを使用した月面探査に関するアメリカ合衆国航空宇宙局と文部科学省の間の実施取決め」が署名されました。
署名式の様子(2024年4月10日(現地時間9日)、ワシントンD.C.)

本実施取決めは、昨年2023年1月に岸田内閣総理大臣立会いの下、日米政府間で締結した日・米宇宙協力に関する枠組協定」の下で署名される、初めての実施取決めです。
本実施取決めでは日本は有人与圧ローバーの提供の役割を担います。また、日本人宇宙飛行士2名の月面活動機会が規定されています。

有人与圧ローバーCG(画像提供:TOYOTA)
有人与圧ローバーは、宇宙服無しで居住及び移動ができる、世界初・唯一の月面走行システムで、今後の月面探査において人類の活動領域を大幅に拡大することができます。アルテミス計画における日本の役割を果たすため、JAXAは有人与圧ローバーの研究開発を着実に実施するとともに、日本人宇宙飛行士による月面活動機会に向けて必要な準備を進めてまいります。

人類の知の創出と活動領域の拡大のため、アルテミス計画における国際協力をより一層加速させるべく、JAXAの総力を挙げて研究開発に取り組んで参ります。

JAXA宇宙飛行士メッセージ「与圧ローバによる月面探査の実施取決め」の署名に寄せて

2024年4月10日(日本時間)、盛山正仁文部科学大臣とビル・ネルソンNASA長官との間で、「与圧ローバによる月面探査の実施取決め」の署名がなされました。
それを受けまして、JAXA宇宙飛行士(候補者含む)からのメッセージをお伝えします。

古川 聡 宇宙飛行士

今回の与圧ローバ実施取り決め署名により、日本の得意分野での挑戦・貢献による国際協力で有人月探査が今後進むことを、とても嬉しく思います。関係者のみなさまに感謝いたします。

星出 彰彦 宇宙飛行士

月面有人探査の次の大きな一歩となる、「与圧ローバによる月面探査の実施取決め」が署名されました。人類の活動領域を更に拡大し、月面での活動を持続的に維持するのに必要となる、極めて重要な機能を日本が担うことになります。誰もまだ経験したことのない新しいチャレンジになりますが、これまで日本が蓄積してきた技術を結集し、JAXA宇宙飛行士の一員としても、世界中の関係者と力を合わせて貢献していきたいと思います。

Image by JAXA/NASA/Robert Markowitz

油井 亀美也 宇宙飛行士

このたび、文部科学省とNASAとの間に、歴史的な合意が結ばれたことを本当に嬉しく思います。月を目指して行う様々な活動には多くの困難が伴いますが、多くの方々と協力し一歩一歩努力を重ねる事で、それらを乗り越え、人類の歴史に残るような素晴らしい成果を上げる事が出来ると思います。私は、難しいミッションであればあるほど、心が躍ります!応援して下さる方々と共に、次の世代に夢と誇りを繋いでいきたいと思います。

大西 卓哉 宇宙飛行士

私はアポロ計画終了後に生まれ、リアルタイムで人類の月面着陸を体験していません。当時を知る方々にお話を聞くと、何十年も前のことなのにそのときの状況を鮮明に覚えている方が多いことにいつも驚かされます。50年以上の月日が経ち、再び人類は月面を目指し、日本もお家芸ともいえる自動車産業をはじめとした産業界と官が一緒になってこのアルテミス計画に大きな貢献をしようとしていることを大変誇りに思います。私もアポロを知らない世代の一人として、月面で活動する日本人宇宙飛行士に選ばれるよう、飛行士としてのスキルを磨いていきます!

金井 宣茂 宇宙飛行士

日本の有人宇宙開発の新たな1ページが開かれることを心から嬉しく思います。JAXA内外を問わずオールジャパンの力を結集して行う歴史的なプロジェクトであり、ワクワクが止まりません。わたし自身も、わずかなりともその一助となれるよう、そして日本のみなさまに夢と希望のある話題をお届けできるよう頑張りたいと思います。

米田 あゆ 宇宙飛行士候補者

月面での持続的な活動を実現する探査ローバ、月を周回するゲートウェイでの生命維持装置、および宇宙飛行士。日本の技術を結集し、米国を始め諸外国との国際協力の下、人類の新たなフロンティアへの挑戦がはじまっています。月面での人類の活動が飛躍的に広がり、科学をより発展させるとともに、日本や世界中の子どもたちにも夢や勇気を与えることでしょう。この合意を大変嬉しく思うと同時にご尽力くださった皆様に感謝申し上げます。未来へ胸躍らせつつ、貢献できるよう一歩一歩前進し、訓練に励んでまいります。

諏訪 理 宇宙飛行士候補者

かぐや、SLIMを皮切りに本格始動した日本の月・火星探査への道は、月極域探査ミッション(LUPEX)や火星衛星探査計画(MMX)を経て、有人与圧ローバへと続いていきます。人類が月・火星そしてその先を目指す中で、日本の貢献の形がはっきりと見えつつあることに気持ちが高まります。そして日本にとって宇宙開発が確実に新しいフェーズに入ってきていることを感じます。我々は何を成し遂げ、そして次の世代に何をつないでいくのか。みなさんと一緒に考えながらその努力に微力ではありますが貢献できるよう頑張ろうという気持ちを新たにしました。

※特に断りのない限り、画像クレジットは©JAXA