約2年間の基礎訓練を修了し、
JAXA宇宙飛行士として認定される
2023年2月、14年ぶりにJAXA宇宙飛行士候補者として、諏訪理、米田あゆの2名が選抜されました。宇宙飛行士候補者は、JAXA入構後、基礎的な科学的・技術的知識や技量、ISSシステムに関する知識などの習得を目指し、約2年間の基礎訓練を受けることとなります。基礎訓練を修了し宇宙飛行士としての要件を満たすことでJAXA 宇宙飛行士として認定されます。
基礎訓練について
基礎訓練は、大別して以下の4つの分野で構成されます。
- JAXA宇宙飛行士に必要なJAXA業務概要や工学・宇宙機の概要等に関する知識
- 軌道上で実際に操作を行うISS/「きぼう」日本実験棟のシステムの概要
- 軌道上で実施する種々の宇宙実験に必要なサイエンス関連の知識
- 宇宙飛行士に必要なスキル(健康管理・体力訓練、航空機操縦、語学、一般サバイバル技術、スキューバ等)の習得を目的とした基礎能力訓練
1~3は講義を中心とし、一部に実習が含まれます。4の基礎能力訓練は実習・実技訓練が中心です。
訓練項目 | 訓練概要 |
イントロダクション | JAXA職員として必要とされる基本的な業務内容、宇宙開発の歴史と現状 |
施設見学 | 国内外のJAXA事業所及び主要関連企業の見学 |
基礎工学 | 航空宇宙工学等の基礎的な知識の習得 |
宇宙開発プログラム概要 | 日本及び各国の宇宙開発プログラム、宇宙機の概要、国際宇宙探査計画概要 |
ISS運用 | ISS計画の枠組み、ISS運用の概要 |
ISSシステム | ISSを構成する各システムの概要 |
JEMシステム | JEM(きぼう)の開発プロセス、運用管制システム、各システムの概要 |
宇宙科学研究 | 宇宙科学研究、宇宙環境利用研究の概要 |
ライフサイエンス | ライフサイエンス研究の目的とライフサイエンス関連の基礎知識習得 |
材料・流体科学 | 材料科学、結晶生成、流体に関する概要 |
地球観測・宇宙観測 | 地球観測、宇宙観測、地質学に関する基礎知識の習得 |
基礎能力訓練 | 宇宙飛行士として必要とされる能力(健康管理・体力訓練、写真撮影、航空機操縦、語学等)の習得 |
宇宙飛行士養成プロセスにおける位置づけ
候補者は基礎訓練終了後、審査委員会の審査を受け、宇宙飛行士として認定されます。その後の維持向上訓練を通し、搭乗割当認定に必要な訓練等を終了した後、搭乗するミッションが決定します。
※特に断りのない限り、画像クレジットは©JAXA