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2025.02.04
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基礎訓練 修了式レポート(2024年10月)

  • 諏訪 理
  • 米田 あゆ
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基礎訓練修了式

2024年10月17日、米田、諏訪の両名がすべての基礎訓練を修了したことが認定され、修了式にて基礎訓練修了証を手交しました。先輩飛行士や関係者から労いや激励のことばが送られ、2人も修了証を手に晴れ晴れとした表情で、関係者への感謝や宇宙飛行士としての抱負を述べました。
修了証を手にした米田・諏訪両宇宙飛行士候補者(当時)
翌週、2人のJAXA宇宙飛行士としての認定に向けての審査が行われ、2024年10月21日をもって、JAXA宇宙飛行士として認定されました!
2人の選抜から認定まで、ご協力をいただきました皆様、応援をいただきました皆様に、心から感謝を申し上げます。

以下に修了式での諏訪、米田からの挨拶と、金井宇宙飛行士の激励のコメントを一部ご紹介します。

米田あゆ

米田あゆ宇宙飛行士候補者(当時)
この度、宇宙飛行士候補者としての過程を修了した、米田あゆと申します。
皆様にお伝えしたいことは3つあります。まず一つに、何よりも感謝の気持ちでいっぱいです。こうしてお集まりいただいた皆様一人一人の顔を見ますと、あの瞬間、あの時たくさんお世話になったな、といったことがよみがえってきます。皆さん一人一人に教えていただいたことがあったからこそ、いま私はここにいると思うので、まず感謝の気持ちを伝えさせてください。
2つ目として、いま基礎訓練を終了し新たな一歩を踏み出そうとしておりますが、これから始まるNASAでの訓練で、さらに自分自身、毎日毎日成長できるよう頑張ってまいりますので、どうぞこれからもよろしくお願いします。
3つ目、来週もし宇宙飛行士に認定していただけた場合は、日本人宇宙飛行士として、日本の有人宇宙開発の新しい時代、ISSの発展やこれから加速する探査に向け、お世話になった皆様と一緒にさらに盛り上げていけるよう頑張ってまいります。
以上3点が、私から皆様にお伝えしたかったことです。本当に皆様ありがとうございました。

諏訪理

諏訪理宇宙飛行士候補者(当時)
どうもありがとうございます、諏訪でございます。
この1年3か月の間、本当にさまざまな新しいことを学ぶ機会に恵まれました。人生でこんなに多くの新しいことをインプットした1年間は、今までなかったと思います。まだまだ学ぶことはたくさんありますが、基礎訓練を通じて、現在の有人宇宙開発の雰囲気も少しは理解できるようになったと感じています。そして何より、多くの分野で、それぞれの分野の第一線で活躍する専門家の方々から学ぶことができるという贅沢な時間でもありました。今後も訓練が続いていく中で、さらに多くのことを学び、吸収していかなければなりませんが、そういった訓練は、周りの方々の支えがあってはじめて前に進んでいけるということを、改めて強く実感した1年3か月でもありました。
基礎訓練には本当に多くの方々が関わってくださり、直接関わってくださった方々だけでも数百人、間接的に関わってくださった方々も含めるともしかしたら千人の大台に行くかもしれませんが、それほど多くの方々の支えがあってこの訓練が無事に終えられたということを再認識し、心から感謝の気持ちでいっぱいです。これから、有人宇宙飛行の時代がさらに本格化し、ISS運用の終わりを見据え、その先に向かうという過渡期にいると思いますけれども、皆様と一緒に次世代を作っていける、そして与えられたミッションをきちんとこなしていける宇宙飛行士になれるように、これからの訓練も頑張ってゆきたいと思います。引き続きいろいろとお世話になりますが、どうぞよろしくお願いいたします。

金井宇宙飛行士

おふたりの訓練を近くから見ていた立場から、一言、お祝いを申し上げます。
今日の基礎訓練修了は、宇宙飛行士としてのキャリアの上で、本当に大きな、輝かしい一歩だと思います。
最初に訓練を始めたばかりの頃は、これまで経験したことのないような新しい挑戦に前向きに楽しんで取り組んでおり、その様子にインスパイアされ、自分も頑張らないといけないなと逆に励まされるような気持ちでした。訓練が進むにしたがって、訓練担当者やインストラクター、「きぼう」日本実験棟の運用に関わる職員のみなさんとの交流を通して、だんだん宇宙飛行士としての考え方や態度を身に着けて、一歩大きく進まれたと感じております。
先輩風を吹かすようで恐縮ですが、次のステップに向けて、2つのアドバイスをさせていただきます。1つ目は、これまでの基礎訓練では同じ訓練を同じようにクリアしてきましたが、これからは自分自身の宇宙飛行士としてのキャリアを、自分自身で考えて進んでもらいたいということです。米田さんにしかできないこと、諏訪さんだからこそできることといった、自分の強みを持った宇宙飛行士を目指していただきたいと思います。
2つ目は、自分がチームに加わって働くときに、これまで交流を持ってきた人たちと協力することで、相加的にただプラス1人分だけの成果を得るのでなく、相乗的にプラス1.1人分、1.2人分、できればプラス2人分、3人分と、チームとしてのパフォーマンスを高めるような工夫を考えてもらいたいということです。
基礎訓練に引き続いて、これから、宇宙飛行に向けた次の訓練が待っていますが、今日のところは、大きな輝かしい一歩を踏み出したという喜びをかみしめていただきたいと思います。本日はおめでとうございました。
記念撮影の様子

※特に断りのない限り、画像クレジットは©JAXA