1. ホーム
  2. 宇宙のしごと
  3. JAXA宇宙飛行士活動レポート
  4. 諏訪宇宙飛行士、ISS長期滞在へ向けた帰国期間中の準備活動(2026年6月)
2026.09.09
  • 訓練
  • 地上での仕事

諏訪宇宙飛行士、ISS長期滞在へ向けた帰国期間中の準備活動(2026年6月)

  • 諏訪 理
Share
ISS「きぼう」日本実験棟のガス供給装置の運用訓練を受ける諏訪宇宙飛行士
2026年6月、国際宇宙ステーション(ISS)長期滞在に向けて訓練中の諏訪宇宙飛行士が約6か月ぶりに帰国し、約2週間JAXA筑波宇宙センターを中心に訓練などを行いました。滞在中は、ISS「きぼう」日本実験棟に関する訓練に加え、自身が担当する可能性のある宇宙実験について、JAXA内外の関係者や運用管制員との打ち合わせを行いました。また、宇宙での生活をサポートする関係者とも打ち合わせを行いました。
訓練用「きぼう」AirLockの外(宇宙側)から内側を覗く諏訪宇宙飛行士
宇宙飛行士が宇宙へ行くための準備は訓練だけではありません。今回の記事では、宇宙食や生活用品の準備、広報活動、家族支援等、宇宙滞在に向けて関係者と連携して進めているさまざまな準備についてご紹介します。この中のいくつかは、決して宇宙に長期滞在する宇宙飛行士だけが必要なものばかりではなく、将来、一般の方が宇宙に行く場合の参考になるようなこともあるかもしれません。

宇宙日本食と生活用品の準備

皆さんが海外旅行に行く時、旅行中快適に過ごすための服装や持参する非常用の食糧等、悩んだことはありませんか?宇宙に長期滞在する時も同じで、ISS長期滞在ミッションを成功させるためには、宇宙でのパフォーマンスを維持し、快適に生活できる環境を整えることが重要です。そのため、日常的に使用する食品や生活用品も、自分の好みに合うものを選ぶことが大切です。

諏訪宇宙飛行士のISS滞在に向けた宇宙日本食や生活用品の選定は既に進んでいます(諏訪宇宙飛行士のX投稿)。今回の帰国では宇宙日本食・生活用品のISS搭載に向けた準備状況に加えて、それらがいつISSに届くのかについて宇宙日本食・生活用品の担当者と確認を行いました。ISSは宙の孤島ですからどんな物資でも必ず貨物船等で運び込む必要があります。そのため、宇宙飛行士の滞在時期に合わせて、計画的に食料や生活用品を輸送することが欠かせません。実際に貨物船がISSへ打ち上げられる機会は年に数回のため、事前に宇宙飛行士と地上の担当者との間で正確にスケジュールの認識合わせをしておかないと、必要な物資がISS到着時に利用できないという事態にもつながりかねません。そんなことを防ぐためにも今回は「宇宙日本食」「生活用品」の輸送時期等について担当者と打ち合わせを行いました。

宇宙食・生活用品チームのメンバーの確認作業の様子

ミッションを支える広報活動

もう一つ、重要な打ち合わせとして広報活動の打ち合わせがあります。広報活動の目的はミッションの内容を正確かつタイムリーにお伝えしていくことですが、今回の長期滞在にあたり諏訪宇宙飛行士は、宇宙を使って社会に新たな価値を生み出す活動を多くの方々にお見せしたい、という思いがあります。また、軌道上での活動が国際協力や社会課題の解決、民間利用、さらには将来の月・火星探査へどのようにつながっていくのかを、より分かりやすく伝える方法についても専門家を交えて議論しました。これからのSNS等での発信にご注目ください。また、皆さんも期待しておられるミッションロゴについても最終デザインの意見交換を行いましたので、こちらも期待して待っていてください!

ファミリー・サポート活動

次に、宇宙滞在前・中・後の家族や親しい人たちとの関係の持ち方等についても専門のチームと打ち合わせを行いました。皆さんの生活においても長期に渡ってご家族のどなたかが海外出張したり転勤になったりした時にはオンライン通話等を利用してコミュニケーションをとることでお互いの安心感を保っているのではないでしょうか。宇宙飛行士が宇宙滞在中も、本人だけでなく周りの方たちも普段と変わらない関係で過ごせる環境づくりに必要なことを打ち合わせしました。今後もじっくりと時間をかけて具体的な支援内容を充実させていきます。
<ファミサポチームのメンバー>日本とヒューストンのファミリーサポートチーム

宇宙実験に向けた打ち合わせ

今回の帰国期間中には、ISS滞在中に担当する可能性のある宇宙実験について、研究者や運用担当者との打ち合わせも行いました。この打ち合わせの重要な点は、実験の内容・目的の共有ですが、さらに重要なのは、研究者の方や実験担当者と宇宙飛行士が直接顔を合わせ、お互いにつながり、理解し合うという点です。実際にISSで実験を行う時は、距離、宇宙環境、限られたコミュニケーション機会等の制限がある中で実験を実施しないといけないので、地上と宇宙飛行士がお互いの顔を思い浮かべながら仕事ができる関係づくりもとても大事です。こうした理由から、これからも機会を見つけて多くの地上関係者とのつながりを作っていく予定です。

以下は、打ち合わせ後に撮影した皆さんとの集合写真です。
固体燃焼実験装置(SCEM)担当者との集合写真
定型化細胞培養装置(ASTROCELL)担当者との集合写真
静電浮遊炉(ELF)担当者との集合写真
SiSiR実験担当者との集合写真

今後に向けて

ISS長期滞在ミッションに向け、諏訪宇宙飛行士は訓練だけでなく、多くの関係者と連携しながら着実に準備を進めています。ぜひご注目ください。

※特に断りのない限り、画像クレジットは©JAXA