今月は材料・流体(燃焼実験)、月極域探査ミッション(LUPEX)、ECLSSの現場実習をご紹介します。
材料・流体実習(燃焼実験)
国際宇宙ステーションでは微小重力環境を利用した様々な燃焼実験が行われています。その中でも微小重力下での材料の可燃性を調べることは、宇宙での火災に対する安全性の向上のために重要です。
今回は固体燃焼実験を例に、背景にある科学的知識および、地上でのデータ取得手法について理解するため、実験室において実習が行われました。特に、燃焼現象をカメラで直接観察する手法と意義について、理解を深めることが出来ました。
今回は固体燃焼実験を例に、背景にある科学的知識および、地上でのデータ取得手法について理解するため、実験室において実習が行われました。特に、燃焼現象をカメラで直接観察する手法と意義について、理解を深めることが出来ました。
材料・流体実習を行う諏訪・米田両宇宙飛行士候補者
月極域探査ミッション(LUPEX)概要・現場実習
世界各国で月面着陸探査が加速する中、日本もインド宇宙研究機関(ISRO)との国際協働ミッションにおいて、月面の水の存在形態や量のデータ取得を目的とした月極域探査ミッション(LUPEX)を進めています。今後「アルテミス計画」や月を起点とした持続的な宇宙探査活動を行うためには月面での水資源の確保が鍵であり、また月面での活動に必要な「移動」「掘削」「越夜」などの技術獲得も求められます。
2人はまず講義で、LUPEXローバシステムの特徴、ローバ搭載観測機器に実装予定の日本が誇る技術や、多くの国がチャレンジする中で日本が月面探査を行う意義などについて理解を深めました。その後、講義で学んだ知識をふまえてLUPEXローバのモデルや実験用設備の実機を見ながらプロジェクト担当とディスカッションすることで、相乗効果の高い訓練となりました。現場実習ではレゴリスを模した砂で覆われた実験用フィールドを歩く場面もあり、2人はいつか踏みしめるかもしれない月の大地に思いを馳せていました。
LUPEX現場実習を行う諏訪・米田両宇宙飛行士候補者
ECLSS現場実習
国際宇宙探査計画「アルテミス計画」では月周回軌道に有人拠点「Gateway(ゲートウェイ)」を建設予定です。Gatewayは国際協力のもと建設され、日本は国際居住棟(I-HAB)への環境制御・生命維持サブシステム(Environmental Control and Life Support Subsystem: ECLSS)の開発・運用などを担当します。ECLSSは宇宙船内の二酸化炭素や有害ガスを除去したり、温度や湿度を調整したり、多種多様なサブシステムで構成され、宇宙で人が活動していくために欠かせないシステムです。
今回はGatewayにおけるECLSSの概要や、日本が開発するECLSSの強みについて学ぶために、主要構成機器の開発現場で実習しました。2人はまさに開発中の機器を前に、機器に施された日本のECLSSならではの工夫や、今後の課題などについて説明を受け、将来滞在するかもしれないGatewayのECLSS機器に興味津々の様子でした。
今回はGatewayにおけるECLSSの概要や、日本が開発するECLSSの強みについて学ぶために、主要構成機器の開発現場で実習しました。2人はまさに開発中の機器を前に、機器に施された日本のECLSSならではの工夫や、今後の課題などについて説明を受け、将来滞在するかもしれないGatewayのECLSS機器に興味津々の様子でした。
ECLSSの現場実習を行う諏訪・米田両宇宙飛行士候補者
※特に断りのない限り、画像クレジットは©JAXA