今月は、筑波大学 にて実施した水泳技量確認とライフサイエンス実習を紹介します。
水泳技量確認
宇宙飛行士は国際宇宙ステーション(ISS)のメンテナンスやアップグレードのための作業を行う船外活動(Extravehicular Activity: EVA)を行うため、地上で船外活動訓練を行います。この訓練は地球上で無重力環境を再現するために訓練用の船外宇宙服を着てプールの中に入り、中性浮力(水中で浮きも沈みもしない状態)を利用します。
その他にも宇宙船が着水したあとに緊急脱出して水上に降りなくてはならない場合に備えた訓練なども行います。
このため、こうした宇宙飛行士認定後の訓練を見据えて、宇宙飛行士候補者については、最低限の泳力を有しているかを確認し、技量が足りない場合は泳力習得のための訓練を実施します。
水泳技量確認では、着衣状態も含め、指定された泳ぎ方・距離を泳げるかどうかの確認や、10分間の立ち泳ぎの技量を確認しました。技量確認の前には講師から「実際の海に落ちた場合はどうするべきか」という観点も含めた解説もあり、より実践的な訓練となりました。
2人の水泳技量は問題なく、立ち泳ぎの際には現在学習中のロシア語で会話するなどの余裕も見られました。
水泳技量確認を行う諏訪・米田両宇宙飛行士候補者
ライフサイエンス実習
ISSでは、「きぼう」日本実験棟を活用したライフサイエンス研究の一つとして、高品質タンパク質結晶の作成が行われています。
微小重力下では対流の影響が抑制されることで、地上より高い品質の結晶を得ることができ、得られた結晶を地上でX線解析することにより、タンパク質の構造を精密に知ることができるのです。
宇宙飛行士の軌道上での作業はサンプルの移設、保管等が主となりますが、諏訪、米田両宇宙飛行士候補者は、背景にある科学的知識を身に付け、社会的な意義についても理解を深めるため、地上実験室においてタンパク質の結晶化実験の実習を行いました。
2人は、溶液中での結晶成長の原理について理解し、基礎的な実験手技を身に付けると共に、得られる成果の社会的意義についても深く考察することが出来ました。
微小重力下では対流の影響が抑制されることで、地上より高い品質の結晶を得ることができ、得られた結晶を地上でX線解析することにより、タンパク質の構造を精密に知ることができるのです。
宇宙飛行士の軌道上での作業はサンプルの移設、保管等が主となりますが、諏訪、米田両宇宙飛行士候補者は、背景にある科学的知識を身に付け、社会的な意義についても理解を深めるため、地上実験室においてタンパク質の結晶化実験の実習を行いました。
2人は、溶液中での結晶成長の原理について理解し、基礎的な実験手技を身に付けると共に、得られる成果の社会的意義についても深く考察することが出来ました。
ライフサイエンス実習を行う諏訪・米田両宇宙飛行士候補者
※特に断りのない限り、画像クレジットは©JAXA