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ISSでの日常生活

Life in Space
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国際宇宙ステーションの
暮らしはどんなもの?

現在、国際宇宙ステーションには宇宙飛行士が交代で滞在しています。国際宇宙ステーションではからだに感じる重力がとても弱いため、地上と同じように過ごすことはできません。地上では簡単にできる運動、睡眠、お風呂、トイレなどは、宇宙ではどうなるのでしょうか。宇宙での生活を少しのぞいてみましょう。

©JAXA/NASA
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宇宙で運動はできるの?

改良型エクササイズ装置で運動をする星出彰彦宇宙飛行士 ©NASA

器具を使うことで運動することができます。

地上では、人間はじっと立っているときも、その状態を保つために重力に逆らい、筋肉や骨がからだを支えています。しかし、重力がほとんどない宇宙では、筋肉や骨はからだを支える必要がなくなるために、何もしなければ筋肉や骨が弱くなってしまいます。
筋肉や骨は、日常的に使わないと強くなりません。そのため、宇宙飛行士はウエイトトレーニングができる抵抗運動器具、またトレッドミルやエルゴメーターといった有酸素運動器具を使って、毎日2時間程度の運動をします。
ウエイトトレーニングができる抵抗運動器具は、宇宙でも真空シリンダーを使って負荷をかけ、地上でのウエイトトレーニングとほぼ同じ運動をする器具です。トレッドミルは、体を太いゴムバンドでおさえつけた状態でランニングをする器具です。エルゴメーターは、車輪のない自転車のようなもので、ペダルをこぐ強さを調節することにより、運動量を調節することができます。

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宇宙ではからだが浮いてしまい寝られないのでは?

クルークオーター(個室)で睡眠の様子を再現する若田宇宙飛行士 ©JAXA/NASA

小さい寝室や寝袋を使って、体を固定して寝ることが多いです。

重力がほとんどない宇宙では、地上のような上下の区別はありません。つまり、どの面も、床であり、壁であり、天井であるので、宇宙飛行士はどの面でも寝ることができます。ただし、重力が小さいので、寝ている間にふわふわと浮かび、どこかに飛んでいってしまうかもしれません。そうならないように、国際宇宙ステーションでは小さい寝室や寝袋を使って、からだを固定して寝る宇宙飛行士が多いです。
また、国際宇宙ステーションはたくさんの機械があるので、常に空調ファンの音や機械音がしています。それらの音がうるさくて眠れない宇宙飛行士のために、睡眠用のアイマスクや耳せんなども用意されています。

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お風呂はあるの?

ISSにおける洗髪方法について解説する古川宇宙飛行士 ©JAXA/NASA

お風呂もシャワーもありません。

地上では蛇口を開けば、水は下に落ちてきます。この現象は、地球に重力が働いているから起きるのです。重力がとても小さな宇宙で蛇口のようなものを開けば、水は四方八方に飛び散ってしまうでしょう。そのため、国際宇宙ステーションにはお風呂、シャワー、洗面台はありません。
体の汚れを取りたいときは、ボディシャンプーをふくませた濡れたタオルでふくだけです。髪を洗うときは、水を使わずに洗えるシャンプーを髪につけて、乾いたタオルでふき取ります。手や顔の汚れを取るときは、清拭ワイプでふくか、液体石けんをふくませたぬれたタオルでふきます。

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宇宙ではどんなものを食べるの?

宇宙食を手に取る星出彰彦宇宙飛行士 ©NASA

地上と同じような食事ができます。

国際宇宙ステーションでは、宇宙食のメニューが約300種類以上用意されています。多くの宇宙食は保存がきくもので、プラスチックの容器に入っていて、水やお湯を加えて元にもどすもの、オーブンで加熱することができるものなどがあります。また、ナッツ、パン、果物など、そのまま食べられるものもあります。
宇宙食が登場したのは1960年代の初めです。最初の宇宙食はなるべく場所を取らず、軽くするために、ひとくちサイズの固形食やチューブ入りの離乳食のようなもので、味はあまりよくありませんでした。
その後、乾燥食品、缶詰、レトルト食品、フリーズドライなど、宇宙に持っていける食品の幅が広がり、今では地上での保存食と同じような食事をすることができます。日本は宇宙での食事に力を入れており、おいしい宇宙日本食を開発しています。

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宇宙にもトイレはあるの?

ISSのトイレの仕組みについて解説する古川宇宙飛行士 ©JAXA/NASA

宇宙にもトイレはありますが、地上のものとは違います。

国際宇宙ステーションにも個室のトイレがあって、地上の洋式便座と同じようなつくりになっています。でも、宇宙のトイレは地上とはちょっと違います。まず、浮かないようにからだを固定して使うようになっています。掃除機のように吸引し、排泄物を空気と一緒に吸いこむしくみになっています。そうしないと、排泄物がプカプカと浮いたままになってしまうからです。また、おしっこは掃除機のようなホースで吸いこみます。
ドアはなくカーテンで仕切られていますが、国際宇宙ステーションの中は空調ファンなどの音やトイレを使うときのモータの音がうるさいので、トイレの音が外に聞こえることはありません。

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宇宙で病気になったら、どうするの?

ISSでの心肺蘇生(CPR)訓練 ©NASA

医療担当の宇宙飛行士がいて、手当てをします。

国際宇宙ステーションに滞在する宇宙飛行士たちは、それぞれ作業担当が決められていて、それぞれの担当業務について詳しい訓練を受けています。救急医療を担当するのは、クルー・メディカル・オフィサーの役職に就いた宇宙飛行士です。
クルー・メディカル・オフィサーは、応急処置だけでなく、傷口を縫い合わせたり、注射もできるように訓練します。国際宇宙ステーションには、様々な医療器具や薬の入っているメディカルキットが用意されていて、必要に応じて使用します。心臓が停止してしまったときの救急蘇生術の訓練は、宇宙飛行士全員が受けており、誰もがいつでもできるようになっています。

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自由時間はあるの?

宇宙から眺める富士山 ©JAXA/NASA

自由時間はあります。それぞれ好きなことをして過ごします。

宇宙飛行士は数か月間、狭い国際宇宙ステーションの中で、しかも決まった人たちと過ごします。地上にいるときよりもストレスが溜まりやすい状態といえるでしょう。そのため、自由時間はストレスを解消するうえでも、とても大切です。
宇宙飛行士は、国際宇宙ステーションに自分だけの持ち物をいくつか持っていくことができます。自分の好きな本を読んだり音楽を聞いたり、地上と同じように趣味の時間を過ごすことができます。また、国際宇宙ステーションの窓から見る地球や星はとてもきれいなので、それらをながめたり、写真を撮ったりする宇宙飛行士もいます。その他にも、DVDソフトの映画やインターネットでニュースを見たり、家族や友人と話したりもできます。