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ソユーズロケット
ISS
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最も多く打ち上げられているロシアのロケット

ソユーズロケット ©NASA

国際宇宙ステーション(ISS)へのソユーズ宇宙船やプログレス補給船の打上げに使われるのが、ソユーズロケットです。

ソユーズロケットは、1957年のスプートニク1号の打上げに使われたロケット(R-7A)を改良したロケットであり、1966年には現在のソユーズロケットに近いものが完成しました。その後、1973年に改造され、現在のソユーズロケットに至りました。

ソユーズロケットの仲間には、ソユーズ宇宙船やプログレス補給船の打上げに使われているソユーズロケット以外にも、派生型のファミリーがあり、4段式のモルニヤロケット(2008年末に退役)や、有人のヴォストーク宇宙船、ヴォスホート宇宙船の打上げや人工衛星の打上げに使われたヴォストークロケット(1991年に退役)、ヴォスホートロケット(1976年に退役)、商業用等にも使われている改良型ソユーズ2ロケットもあり、打上げ回数の総計は2017年4月末時点で1870回を越えています。3段式のソユーズロケットの打上げ成功率は97%以上(1966年~2000年末時点)と非常に信頼性の高いロケットです。1970~1980年代のピーク時には年間40~45機(派生型を含めると約60機)が打ち上げられていました。現在では年間10~15機程度が打ち上げられています。

ソユーズロケットの打上げ ©NASA
補助ブースター ©NASA

これらのソユーズロケットファミリーの特徴は、中心のロケットの周りに4本の補助ブースタを装備しており、打上げ時には計5本の束ねたロケットを使用することです。この基本構成は1957年にスプートニクを打ち上げたロケットと変わっておらず、その後は、信頼性と性能向上を重ねてきました。それぞれに4基装備されたエンジンノズル1基あたりの推力は小さいのですが、これら4基のノズルを5個束ねれば合計で20基のノズルとなり、大きな力を発揮できます。また同じエンジンを大量に製造することでコストも安くできます。

ソユーズロケットは打上げ前日にバイコヌール宇宙基地の組立施設から横倒しのまま鉄道で射点に運ばれます。射点に到着後、垂直に立てられて打上げ準備作業が開始されます。ロシアのロケットは全て横倒しで運び発射台に起こしてセットします。なお、ソユーズとは「結合」、「同盟」という意味のロシア語です。

ソユーズロケットの主要諸元

ソユーズロケット(フェアリング部は省略しています)
横スクロールしてお読みください。
名称 ソユーズ(Soyuz) SL-4
打上げ場所 バイコヌール宇宙基地(有人/衛星打上げ)
プレセーツク発射場(衛星打上げ)
用途 プログレス補給船、ソユーズ宇宙船、RESURS(地球観測衛星)、バイオサット、コスモス衛星などの打上げ
搭載貨物重量 6,855kg(高度220km/軌道傾斜角 51.6度)
7,050~7,450kg(ソユーズ宇宙船/プログレス補給船ミッション時)
ロケット構成 3段式(補助ブースター4本を1段と見なした場合)
全長 45.22m(無人時、10.14mのフェアリングを含む)
49.3m(有人時:ソユーズ宇宙船使用時)
最大直径 10.3m(ブースタ(1段目)のフィン間)
2.95m(2段中心部)
打上げ時重量 309.7t
打上げ時推力 5,932kN(真空中)
推進剤 全段同じ
酸化剤:液体酸素
燃料:ケロシン

※: 「SL-」の後に数字が付く呼称は米国防総省の命名です。

打上げシーケンス

横スクロールしてお読みください。
時間 イベント
0秒 打上げ、1段ブースターおよびコアロケット(2段)の点火
約118秒後 1段ブースター4本の切り離し、中央の2段は燃焼を継続
約160秒後 緊急脱出用ロケットおよびフェアリングの分離
約314秒後 3段の燃焼開始と同時に2段を分離
約554秒後 3段の燃焼終了、宇宙船をロケットから分離

バイコヌール宇宙基地について

ロシアの宇宙基地の所在地
金井宇宙飛行士らを乗せたソユーズMS-07宇宙船(53S)の打上げ
バイコヌール宇宙基地

バイコヌール宇宙基地は、カザフスタン共和国(モスクワの南東約2,100kmのところ)に位置します。世界初の人工衛星スプートニク1号の打上げに使われたほか、世界初の宇宙飛行士ガガーリンの打上げ以降、全ての有人宇宙船の打上げに使用されています。また、プロトン、ゼニットロケットなどの大型ロケットの打上げにも使用されてきました。

バイコヌール宇宙基地のソユーズロケットの発射台は、1番射点(LC-1/PU-5)と31番射点(LC-31/PU-6)の2つがあります。ガガーリンの打ち上げに使われた1番射点は、現在も現役で、400回以上ともっとも多くのソユーズロケットの打ち上げに使われています。

プロトンの発射設備は国際的な打上げ用と軍用の2つがあり、それぞれ2つの発射台を備えています。「ザーリャ」(基本機能モジュール)の打上げ時には333-L発射台が使用されました。

バイコヌール宇宙基地の年間の平均気温は13度です(季節により-45度~40度まで変化します)。

※特に断りのない限り、画像クレジットは©JAXA