HTV-X 1号機技術実証ミッションの概要
HTV-Xは、最長6ヶ月間ISSに係留し、輸送カーゴの搬入や廃棄カーゴの積込みを行います。その後、ISSから離脱して最長1.5年間の軌道上飛行を続け、様々な技術実証ミッションを実施します。
HTV-X 1号機では、この「技術実証ミッションフェーズ」を約3ヶ月間と計画しています。

3つの技術実証ミッション
1号機は、ISSからの離脱後、約3か月の技術実証ミッションフェーズにおいて、3つの技術実証ミッションを実施する計画です。
高高度から未来を拓く、超小型衛星放出『H-SSOD』

ミッションでは、HTV-Xから小型衛星を放出します。HTV-Xの特長である自在な飛行能力を活かし、ISSよりも高い高度から衛星を放出することにより、超小型衛星の運用期間の延長や実用的な利用ミッションへの適用を可能とするなど、超小型衛星放出の新たな需要を引き出します。
HTV-X 1号機では日本大学の「てんこう2」を搭載し、ISS離脱後に高度を約500kmに上昇させて衛星放出を実施する予定です。
世界初、衛星姿勢をレーザーで測る
軌道上姿勢運動推定実験『Mt. FUJI』
HTV-X1号機ではJAXAが開発した小型軽量の衛星レーザ測距(SLR)用小型リフレクター(Mt. FUJI)を与圧モジュール外部に搭載します。地上からHTV-Xに搭載したMt.FUJIにレーザ光を照射し、反射して返ってくる光を観測することで、地上とHTV-Xとの間の距離を測定するだけでなく、SLRによる宇宙機の姿勢運動の推定を実データと比較し検証する世界初の実験を行います。

展開型軽量平面アンテナの軌道上実証『DELIGHT』
次世代宇宙用太陽電池の軌道上実証『SDX』

将来の宇宙太陽光発電システム(SSPS)等に必要となる大型宇宙構造物の構築技術等の軌道上実証をHTV-Xを活用して行います。
新たなパネル展開・結合機構を実装した展開型軽量パネルを軌道上で展開し、展開中の挙動や展開後の構造特性を計測します。同パネルの一部には、軽量平面アンテナも搭載し、地上局からの電波の受信レベルを計測します。
また、次世代宇宙用太陽電池実証装置(SDX)も搭載し、実証試験を行います。
HTV-X 1号機 ミッション飛行計画

新型宇宙ステーション補給機「HTV-X」のイメージCG映像です。
※特に断りのない限り、画像クレジットは©JAXA