水と油が分離したタイプのドレッシングのビンを振ると、水と油は一時的に混ざりますが、すぐ分離してしまいます。このドレッシングのビンを宇宙船内で振ると、混ざった水と油は分離するのでしょうか

　「水と油の仲」といわれるほど、水と油は混ざりにくいものの代表です。しかし、よく振ると、水も油も細かい粒になって、一時的には混ざります（分散）。

　ただ、水は油より重いので、水の粒は下に移動し、粒が集まって水の「層」をつくるのです。同様に、油は上に移動し、油の「層」をつくります。こうして水の層と油の層とに分離してしまいます。

　無重力では、重さに違いがないため、水は下に移動せず、油も上に移動しません（そもそも上も下もありません）。したがって、水も油も細かい粒になったままで、均一に分散します。

　水と油を混ぜる実験は、1973年にスカイラブ宇宙船で行われました。地上では10秒程度で分離した水と油が、宇宙では10時間たってもまったく分離しませんでした。