SF映画のようにISSで重力を発生させることは出来ないのですか
ISSは、微小重力、宇宙放射線、広大な視野、高真空、豊富な太陽エネルギーなど宇宙という特殊な環境を利用して、様々な実験や観測を行うことを目的としています。よって、微小重力そのものを利用する施設です。
人工的に重力を発生させる装置として、ISSには、セントリフュージ(生命科学実験施設)という大型の研究モジュールが設置される予定でした。
※ 2005年9月にNASAのISS計画見直しの一環としてセントリフュージは打ち上げないことになり、開発は中止しました。
セントリフュージは、重力環境が生物に与える影響について研究を行うための実験施設であり、装置を回転させ、遠心力を発生させることにより疑似重力を発生させます。人工重力を発生する重力発生装置の直径は2.5mありますが、生物や植物の実験に使われるものであり、人間用ではありませんでした。
現在、きぼう内に設置されている細胞培養装置(Cell Biology Experiment Facility: CBEF)および細胞培養装置追加実験エリア(Cell Biology Experiment Facility-Left:CBEF-L)には小型のセントリフュージが装備されており、0Gから2Gまでの人口重力を発生させる機能があります。軌道上で0Gと人工重力環境の比較や、月や火星などの低重力環境を再現して実験することができます。
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