ISSはどのような姿勢で飛行しているのですか?
ISSの姿勢は、大きく分けてLVLH(エルブイ・エルエイチ)姿勢とXPOP(エックスポップ)姿勢が使われています。
以下の姿勢についての説明で使用する座標系は、下の図の通りです。
なお、ISSのモデルは、ISS組み立てフライト11A終了後のものを使用しています。
以下の姿勢についての説明で使用する座標系は、下の図の通りです。
なお、ISSのモデルは、ISS組み立てフライト11A終了後のものを使用しています。
なお、ISSのモデルは、ISS組み立てフライト11A終了後のものを使用しています。
LVLH姿勢
LVLH姿勢は、
- Z軸を地球中心方向
- X軸を進行方向
に向けて飛行する姿勢です。この姿勢は、ISSの+Z側に取り付けられた地球観測用の窓を地球に常に向けることができ、地球観測に好都合であること、ほぼすべての面に太陽光が当たるため、ISSの温度制御が比較的容易なことなどの特徴があります。
ISSでは姿勢制御用のコントロール・モーメント・ジャイロ(CMG)を使って、Z軸を常に地球方向に向けるようにしています。
XPOP姿勢(X-Axis Perpendicular to Orbit Plane)
LVLH姿勢は、ISSの完成段階には最適な姿勢ですが、ISS組み立てフライト12A.1以前はISSがまだ十分な機能を持っていないため、太陽の位置によっては発生電力が不足してしまいます。このため、そういう時期にはXPOP姿勢という姿勢を取ります。
XPOP姿勢は、
- X軸を軌道面に対して垂直、かつ太陽側とは反対方向
に向けて飛行する姿勢です。
この姿勢は、LVLH姿勢に比べて、
- 姿勢制御が容易
- ISSから見た太陽の方向が常に同じ方向になるため、太陽電池パドルの指向制御を行わなくても発電できる
などのメリットがあります。しかし逆に、
- 常にISSの-X側に太陽光が当たるため、その部分が高温になりすぎ、逆に+X側は冷えすぎる
- +Z側に取り付けられた地球観測用の窓から地球を見ようとしても1/4周回分しか地球は見えない
などのデメリットもあります。
※特に断りのない限り、画像クレジットは©JAXA