第2回「きぼう」ロボットプログラミング競技会 プログラミング決勝大会の開催報告

2021年7月18日(日)、第2回「きぼう」ロボットプログラミング競技会（Kibo-RPC）のプログラミング決勝大会 (Programming Skills Round (PSR))を開催しました。9つのアジア・太平洋地域の各国・地域で開催された予選を見事勝ち抜いた代表チームが、プログラミングスキルズアワードをかけて戦い、タイ代表の「Indentation Error」が見事優勝しました。これらのチームは、9月に開催される軌道上決勝大会に参加します。

PSR開催ビデオ：https://www.youtube.com/watch?v=E3WFFd0wfGsYOUTUBE

第2回目となる今回の大会では、11の国と地域から286チーム、905人の参加応募がありました。各国・地域で予選が行われ、そこで優勝した代表チームがPSRに参加することができます。このPSRは、シミュレーション環境を利用して、プログラミング技術の最優秀チームを決定する大会で、各国/地域の予選を勝ち抜いた精鋭9チームが戦いに挑みました（参加チームリストは表1を参照）。

PSR（当日のイベントプログラムは表3を参照）は、司会の山崎直子宇宙飛行士、解説員の東京大学の中須賀真一教授とJAXA油井亀美也宇宙飛行士による挨拶の後、各チームのチームリーダーによるチーム紹介と、Kibo-RPCのルール説明を行いました。その後、シミュレーション結果の再生動画を中須賀教授、油井飛行士による解説とともに確認し、順位発表と表彰を行いました。多くのチームが、非常に高精度で安定したプログラムを作成しており、クラスA判定を獲得しました。シミュレーション結果動画だけでは、どのチームが上位入賞しているのかわからないほど接戦した戦いでした。

表彰式では上位3チームの発表が行われ、3位はバングラデシュの「Enigma Systems」、2位は台湾の「GeminiPYTW」、そして1位はタイの「Indentation Error」という結果となりました（表2を参照）。
また、最後の講評では、8回行ったシミュレーションの得点のバラツキが発表され、優勝したタイのIndentation Errorは、非常に安定性の高いプログラムであることが示されました。上位チームはいずれも安定した得点を誇っていました。

PSR終了後には、参加学生とのオンライン交流会を開催しました。参加者の皆さんから、油井宇宙飛行士と山崎宇宙飛行士に様々な質問がありました。また、学生同士での質疑応答や、中須賀教授から参加学生に対して質問が行われるなど、活発な交流が行われました。

9月に開催される軌道上決勝大会では、PSRに参加した全チームのプログラムをISSにあるAstrobee実機に搭載し、実環境での競技が行われます。参加チームはこれから決勝大会に向けてプログラムの改修を行いますが、PSRの結果と比較してどう変わるのか、どのチームが一番、実機の特性や実環境とシミュレータの差異を考慮したプログラムを作ることができるのかが、軌道上決勝大会での勝敗を分けます。
軌道上決勝大会はとても見ごたえのある白熱した勝負になることが予想されます。ぜひ皆さん、ご覧ください！