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地球で暮らしている私たちが、無重力を体験した後、再び地球におり立った時、強く実感することはなんだろうか?

おそらく、これまで地上では全く意識しなかった重力の存在を自分の体で実感してしまうことだろう。

 これは、実際に向井宇宙飛行士が感じたことであり、その良きパートナーである向井万起男さんの『女房が宇宙を飛んだ日』(講談社刊)の中で次のように述べられている。地球に戻ってきても宇宙体験について自ら話題にすることがなかった千秋さんに対して、戻ってきて1年半後のある日、とうとう万起男さんの方から聞いている場面だ。

「宇宙飛行でいちばん感動したことって何なんだい?」
「それは、もちろん、地球に帰って来た時よ」
「えっ?」
「地球に帰って来て、地球の重力と再遭遇したときよ。地球には重力があるんだって体で知ったこと。これに比べたら、宇宙から地球を見た感動なんて小さいわね。-中略- 正直言うと、私、宇宙から見る地球は美しいということは宇宙に行く前から想像ついていたのよ。-中略- だから、あぁ、やっぱり美しいという感動はあったけど、意外な感じはしなかったんだ。でも、地球に帰って来てから体が感じた重力は予想もしていなかったことなのよ。この地球の重力は自分の体で感じて初めてわかるものなの。」

帰還後、観衆に手を振る向井宇宙飛行士
 向井宇宙飛行士は、地球に戻って直後、ハシでつまんだ寿司をじっと見つめてからパッと離したり、テーブルにあるナプキンを床に落としてみたり、雑誌のページをパラパラとめくってそれが自然に下に落ちていくのを見て「紙ってこんなに重いんだ。」と感心したり、ちょっと奇妙な行動をとったとのことだ。そしてその後、またこの重力の存在を感じなくなっていったという。

 私たちは残念ながら画像でふわふわしている無重力の状態をテレビなどで見ることはできても、地上に住んでいるうちは、重力があることを実感することはできない。私たち人間の持つ感性に新しいインパクトを与えてくれるのは、一度この地上の重力から解放されてみることも必要なのかも知れない。

※特に断りのない限り、画像クレジットは©JAXA