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メダカは、宇宙で一連の産卵行動ができ、稚魚は誕生するのだろうか?

ある種のメダカでは、産卵行動は可能である。また、受精卵も正常に発生を続け、稚魚が誕生する。

 無重力では、ふつう魚はそれぞれ勝手な方向を向いてしまう。また、平衡感覚が混乱するため、ぐるぐると回転して泳いでしまう。このような状況では、産卵行動など不可能だと思われていた。

 そこで、1994年のスペースシャトル「コロンビア号」に向井宇宙飛行士とともに宇宙へ行ったメダカには、飛行機の放物線飛行テストで無重力にしても回転を行わなかった、無重力に強い種のメダカが採用された。

 一般に、魚には光に背を向ける性質や水流の方向に頭を向ける性質があるため、向きをそろえることは可能だ。実験には、これらの性質もかねそなえたメダカが選ばれた。

 メダカは宇宙用水槽の中で、地上と同じ産卵行動を行い、受精卵ができた。さらに、受精卵は正常に発生を続け、稚魚が誕生したのだ。

 この実験から、将来宇宙で魚類を養殖する計画などに、期待をもたらす結果が得られたと言えるであろう。

光に背を向ける魚の性質
宇宙での正常な産卵
提供;東京大学 井尻憲一さん

※特に断りのない限り、画像クレジットは©JAXA