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ニワトリの受精卵は、無重力でも正常に発生できるのでしょうか(ヒヨコになるでしょうか)?

ニワトリの場合、無重力では初期の胚の生存率が低く、正常に発生しません。

地上 / 宇宙(無重力)
 ニワトリの卵は卵黄が非常に多く、卵割(らんかつ)は上部のみで行われ、胚盤(はいばん)を形成します。また、胚盤や卵黄がある黄身の部分は、卵白や卵殻(らんかく)でおおわれています。卵殻は卵を保護するだけでなく、酸素やそこに含まれるカルシウムなどの成分を胚に供給しており、これが胚膜(はいまく)の血管系などの形成に不可欠であることが知られています。

 地上の重力のもとでは、黄身の部分が卵白に浮かんだ状態になり、胚盤が殻に接するように存在しますが、無重力では、胚盤のある黄身の部分が卵の中心に移動してしまい、殻から分離するカルシウムなどの成分が供給不足になってしまうのです。発生の初期には、このことが致命的な影響を与えるようです。

 地上で親鳥がするように、宇宙でも卵を温めながら定期的に動かさないと、ヒナがふ化する率が低下してしまいます。このことは、毛利宇宙飛行士が行った実験を通じて、昭和大学の須田教授が明らかにしました。

※特に断りのない限り、画像クレジットは©JAXA