無重力で、最もつらい姿勢はどんな状態でしょうか
(注)机、椅子などは固定してあるものとします。
(4) 正座の姿勢(脚を曲げるのがつらい)です。
地上で正座できるのは、上半身の体重で脚を折り、おしりに踵(かかと)や足の裏をつけるような姿勢がとれるからです。無重力では体重がないので、筋力だけで膝(ひざ)を曲げなければなりません。これが、とてもつらいのです。だから、宇宙では「正座をしなさい」などと言われることはないでしょう。
また、(1)の姿勢も首を下に曲げることがつらいそうです。ヒトの大きな頭の重心は、背骨の延長線より前方にあります。したがって、地上では重力の影響で顔は自然に下を向こうとします。これに対抗するため、首の後側では顔を上に向けるための筋肉がいつも働いています。つまり、ヒトの顔を下に向けるための筋肉は、発達していないのです。
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