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宇宙に長期滞在する場合、トレーニングが欠かせないのはなぜでしょうか

筋肉や骨の弱化を予防するためです。

スペースシャトル内でトレーニングしている土井宇宙飛行士。
 地上で私たちが直立するためには、体の重心を足の裏の中心近くに維持する必要があります。この姿勢を保つため、抗重力筋(こうじゅうりょくきん)に分類される背筋などの筋肉がたえず働いています。また、運動するために、もっと多くの筋肉が働いています。

 無重力では、食物の消化に関わる内臓筋以外は、ほとんど働く機会がなくなり、しだいに衰えていってしまいます。特に、運動によく使われる、ふくらはぎの筋肉(ひらめ筋)などは、すぐに衰えてしまうのです。

 また、骨は重力などによって圧縮される刺激がなくなるとカルシウムやリンが溶け出し、尿や便中に排出されてしまうことがわかってきました。これらの成分が溶け出すと骨はもろくなり、折れやすくなってしまうのです。

 筋肉や骨の弱化を予防するため、上の写真に示すペダルこぎのような器具を用いたトレーニングによって、筋肉や骨に負荷をかけ続けることが必要なのです。

 宇宙医学の、骨カルシウムの研究は、近年増加している骨粗鬆症(こつそしょうしょう)の解明にも貢献しています。

※特に断りのない限り、画像クレジットは©JAXA