「よい半導体」の条件は何ですか
半導体の性質は、添加物の種類によって決まります。したがって、不純物が混ざってはいけません。その不純物のせいで性質が変わってしまうからです。ふつうの金属の場合、不純物はPPM(100万分の1)程度まで許されますが、半導体ではPPT(1兆分の1)程度です。世界の人口は約60億なので、世界中の人のうち1人にもなりません。半導体がいかに不純物を嫌うかわかるでしょう。
また、添加物が結晶全体に散らばっている(難しい言い方をすると、均一に分布している)必要があります。極端な場合、添加物のない部分がずっと続いていれば、その部分は半導体の性質を示さないはずです。添加物があるために、半導体としての性質を示すのですから。このように、添加物の散らばり具合が、半導体の性能を左右します。
さらに、結晶に乱れがないことも重要です。結晶に欠陥があると、添加物が結晶全体に散らばることができず、最悪の場合、半導体の性質を示さなくなるからです。
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