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光通信や各種レーザー機器に必要な純度の高いガラスを、無重力を利用してつくる実験がすすめられている。不純物が入るのを防ぐためだが、なぜ無重力を利用するのだろうか?

空中に浮かして溶かせば、容器が不必要で、容器から不純物が混ざらないから。

 地上でガラスをつくるには、材料の物質を混ぜた後、それをルツボと呼ばれる容器に入れ、ルツボごと加熱して溶かし、冷やして固める。

地上でのガラスの作り方
 高温でガラスの材料を溶かしているとき、ルツボをつくっている物質が、ごくわずかだがガラスの材料に混ざってしまう。容器から不純物が入るのだ。

 容器のルツボから不純物が入るなら、容器を使わなければよい。つまり、材料を空中に浮かせたまま、周囲から加熱して溶かせばよい。まさに無重力ならではの製造方法だ。

 1992年、毛利宇宙飛行士が乗った「エンデバー号」における、日本の宇宙材料実験「ふわっと '92」では、容器なしで材料を直接溶かす方法に世界で初めて挑戦し、無色透明なガラスをつくることに成功した(右下の写真)。
ガラスの材料(球状に固めてある)
提供;大阪工業技術研究所
空中に浮く溶けたガラスの材料。
まわりにあるのは、白金でできたかご。
宇宙でつくられたガラス
提供;大阪工業技術研究所

※特に断りのない限り、画像クレジットは©JAXA